商品陳列所旧蔵報告書

概要

解説

 高等商業学校商品陳列所旧蔵の農産物及び鉱物に関する報告書。

 米・紙・油菜・砂糖・麦・桑・藍・瓜哇薯 (じゃがいも) ・油・木蝋・煙草・漆・茶の調査報告書13点21冊及び別子銅山に関する解説書1点1冊の計14点22冊。米と茶に欠巻がある。農産物の調査報告書は明治7年 (1874) から同21年 (1888)、別子銅山に関する解説書は明治8年 (1875) から同22年 (1889) までのデータを収録。

 本資料の作成経緯を示す記録は一切残されていないが、農産物調査報告書の編者小野孫三郎・田原休之丞・北垣保・岸三郎は農商務省の技手、竹内太郎は農商務省の属 (さかん、官職名) であったことが明治20年 (1887) 及び23年 (1890) の農商務省職員録で確認できる。ここから、農産物の調査報告書13点21冊は農商務省による調査資料の写本であると推測される。付箋に名前が登場する中條為之助・熊田・竹川はおそらく書写者であろう。

 高等商業学校商品陳列所は明治21年 (1888) に設置。内外の商品に接する機会を学生に提供したが、大正12年 (1923) の関東大震災で焼失した。

伝来

 昭和11年 (1936) 2月25日に学生課から12点20冊、同年10月7日に庶務課から1点1冊、同年10月12日に庶務課から1点1冊が移管された。Azm:14の巻頭には「昭和十一年十月十二日 商品陳列所ヨリ寄贈」と記されているが、原簿上は庶務課から移管されたことになっている。昭和11年の時点では商品陳列所は存在しないため、この資料の移管元は原簿に従って庶務課とした。

整理の経緯

 修学旅行等報告書と同様、図書館への移管時に通し番号の請求記号が付与された。商品陳列所時代の請求記号と思しきものは資料中には見当たらない。図書館への移管以前には特別な整理は行われていなかったものと推測される。

資料リスト・画像へのリンク

商品陳列所旧蔵報告書

関連情報

※この資料は、デジタルアーカイブ「近代日本経済史・経営史」の収録タイトルです。

関連資料

図書・論文

  • 井出野栄吉 「一橋商品学の伝統」 『一橋論叢』 91-4、1984年
  • 岩城良次郎 「一橋商品学と日本商品学会」 『一橋論叢』 93-4、1985年

所在

附属図書館 貴重資料室 【Azm】