オープンアクセス

「Open Access Week」をご存じですか?

<2022公式ポスター>

 Open Access Weekは、毎年10月に世界各地でオープンアクセスに関連するイベントを開催する取組みです。2022年のテーマは“Open for Climate Justice”(気候正義のためのオープンデータ)です。
 附属図書館では10月24日(月)から11月18日(金)までの間、オープンアクセスの動向や本学の取組み、本学教員にご協力いただいたインタビューの様子を、こちらのwebサイトにて掲載します。グッズのプレゼント企画(本学 教職員・学生を対象)もご用意しておりますので、ぜひご覧ください。

オープンアクセスとは

 学術論文等の研究成果に対して誰もがインターネットを介して無料でアクセスし、その再利用を可能にすることです。その意義は、(主に商業出版される)ジャーナル価格の継続的な上昇への対応措置や、研究開発の費用対効果を上げるとともに学際的な研究やイノベーションの創出を促して、その成果を社会に還元することなどにあります。また、著者にとっては、論文へのアクセスが向上することで論文の閲覧数が増加し、引用される可能性が高まります。

 こうした研究成果のオープンアクセス化は世界的な潮流となっており、日本でも、公的研究資金による研究成果(論文、研究データ等)については原則公開するよう提言がなされています。

オープンアクセスの実現手段

オープンアクセスを実現するための手段としては、主に次の2つがあります。

ゴールドオープンアクセス

著者または第三者がAPC(Article Processing Charge;論文出版加工料)を支払うことにより、オープンアクセスにする学術雑誌(オープンアクセスジャーナル)に投稿する方法。

グリーンオープンアクセス

著者自身のウェブサイトや、著者の所属する大学等が構築・運用する機関リポジトリを通じて、論文の著者最終稿などを公開する方法。一橋大学に所属している方は、一橋大学機関リポジトリHERMES-IRに論文を登録することができます。

一橋大学のオープンアクセス方針と機関リポジトリ

一橋大学オープンアクセス方針

 一橋大学は2017年10月19日に「一橋大学オープンアクセス方針」を策定し、出版社、学協会、学内部局等が発行する学術雑誌に掲載された本学に在籍する専任教員の研究成果を、HERMES-IRによって公開しています。 

一橋大学オープンアクセス方針

平成29年10月19日
学長裁定

(趣旨)
1. 一橋大学(以下「本学」という。)は、一橋大学研究教育憲章に基づき、新しい社会科学の探求と創造の精神のもとに、独創性に富む知的、文化的資産を開発、蓄積し、広く公開するために、オープンアクセスに関する方針を定めるものとする。

(研究成果の公開)
2. 本学は、出版社、学協会、学内部局等(以下「出版者」という。)が発行する学術雑誌に掲載された、本学に在籍する専任教員(以下「教員」という。)の研究成果(以下「研究成果」という。)を、一橋大学機関リポジトリ(以下「リポジトリ」という。)によって公開する。ただし、研究成果の著作権は本学には移転しない。

(公開の例外)
3. 前項にかかわらず、著作権等の理由により、リポジトリによる公開が不適切である場合は、本学は当該研究成果を公開しない。

(適用の不遡及)
4. 本方針の実施以前に、学術雑誌に掲載された研究成果及び本方針と相反する契約を締結した研究成果には、本方針を適用しない。

(研究成果の提出とリポジトリへの登録)
5. 教員は、研究成果について、できるだけ速やかにリポジトリ登録が許諾される適切な版(出版者版、著者最終稿等)を、本学に提出する。リポジトリへの登録、公開等、リポジトリに関する事項は、一橋大学機関リポジトリ管理運営規則(平成19年規則第7号)により取り扱う。

(その他)
6. 本方針に定めるもののほか、オープンアクセスに関し必要な事項は、関係者間で協議の上、別に定める。

(実施日)
7. 本方針は、平成30年4月1日から実施する。

一橋大学オープンアクセス方針(一橋大学Webサイト)

Hitotsubashi University Open Access Policy

Approved by the President on October 19, 2017

(Objective)
1. Hitotsubashi University (hereinafter “the University”) hereby prescribes the Open Access Policy based on its Mission Statement in order to develop, accumulate, and widely publish intellectual and cultural property rich in originality for the creation and study of new fields in the social sciences.

(Open Access to Research Outputs)
2. The University provides open public access to the research outputs by the full-time faculty of the University (hereinafter “the Faculty Member”) published by commercial publishers, academic societies, or departments in the University via the Hitotsubashi University Repository (hereinafter “the Repository”). The ownership of the copyright of such research outputs will not be transferred to the University.

(Exception)
3. Notwithstanding the provisions of the preceding paragraph, the University will not make the specific research outputs public via the Repository due to copyright or similar protection.

(Non-retroactive)
4. This policy shall not apply to the research outputs published prior to its implementation or contractually conflicting with it.

(Submission of Research Outputs and Deposit in the Repository)
5. The Faculty Member will submit his/her research outputs, which would be permitted to be deposited in the Repository (e.g. published article, accept manuscript) as soon as possible. Deposit, release, subsequent use, and all other issues related to the Repository shall be implemented according to the operational guidelines of the Repository.

(Others)
6. The parties concerned shall negotiate the open access issues unstated in this policy.

(Effective Date)
7. This Policy will be in effect as of April 1, 2018.

Hitotsubashi University Open Access Policy(Hitotsubashi University Website)

機関リポジトリとは

<HERMES-IR 概要>

機関リポジトリ(Institutional Repository)とは、機関(大学等)で生産された研究成果(全文)を電子的に保存し、発信するインターネット上の集積庫のことです。HERMES-IRでは、一橋大学に所属している方の発表した学術雑誌論文について、掲載許諾が得られるものから収集・公開しています。また、2013年度の学位規則改正に伴い博士論文を公開しているとともに、本学が刊行する研究紀要の論文情報、ワーキングペーパー等各種研究報告書、各種研究データ、広報資料、学園史資料、特殊コレクションなども包括的にデータベース化し、広く世界に発信しています。詳しくは以下のページをご覧ください。

HERMES-IR利用分布図

HERMES-IRは世界中から利用されています。
2021年度に世界のどこから、どのくらいのアクセスがあったかを 地図上に示してみました。

HERMES-IR利用分布図

本学教員インタビュー

附属図書館では、「オープンアクセス」をキーワードに学術情報流通の動向やHERMES-IRについて、本学の先生方にお話を伺いました。お伺いした中から、オープンアクセスの効用を抜粋してご紹介します。 

広報誌 BELL No.225

      

■お問い合わせ先
 一橋大学附属図書館学術情報課電子情報係
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