三浦新七関係資料

概要

解説

 三浦新七東京商科大学教授 (1877-1947) の講義原稿及び手稿類。13,875枚からなる。同教授の担当は、商業史・経済史・文明史。
 未公刊の原稿、東京商科大学・旧制山形高等学校・小樽高等商業学校・京都帝国大学文学部での講義原稿、両羽銀行頭取時代の講演要旨、日銀顧問会での講演聴取メモ、座談会速記録などが含まれ、1911年末にドイツから帰国して1947年に逝去するまでの、三浦の学者としての足取りを示す史料である。
 自筆原稿が11,929枚とそのほとんどを占めるが、『三浦新七先生講義原稿』(1977年、全46巻)でいう第20巻から26巻までは受講者の筆録である。第20巻から22巻は佐倉潤吾・田中西二郎両氏の筆記によると推測され、第23巻から26巻の筆者は不明である。第35巻「座談会速記録」も自筆でない。

伝来

 講義原稿は生前、大型の支那鞄2個に収められ、関東大震災や太平洋戦争の折にも常に三浦本人の身辺に置かれて保管されていた。これは没後故人の遺志により、4万冊にも上る蔵書とともに三浦家から一橋大学へと寄贈された。

整理の経緯

整理は「三浦新七先生記念事業会」の事業として、村松恒一郎、高橋泰蔵、増淵龍夫がおもにその任にあたった。

  • 第一段階
    ゼロックスコピーした全資料の各葉を、内容別に分類して整理番号を付して再度コピーし、仮綴り本54巻81分冊にまとめた。これには目次が付けられて2部用意され、1976年に三浦家と一橋大学附属図書館に納められた。コピーの不明瞭部分のほとんどは、欧文・赤鉛筆書き。
  • 第二段階
    三浦家ではこれを、三浦の生誕100年と没後30年にあたる1977年、山形中央図書館に寄託することに決めた。この際、仮綴りのままでは保存上適切でないため、三浦家において仮綴り本54巻は、全46巻『三浦新七先生講義原稿』 (クロス製本) に集成・合本された。主題等によって多少の編制替えを行った結果、仮綴り本の目次と46巻本のそれとの間に、若干の相違が生じたが、その異同は『三浦新七先生講義原稿』総目次の巻末 「三浦新七先生講義原稿目次一覧表」 に記した。
    目次中の表題は、三浦自身が付けたもののほか、その内容から推定して仮に設けたものがある。
    後者の場合には、高橋泰蔵氏の指導を仰いだ。各巻中にある水色の仕切り紙は、仮綴り本の原区分に対応して設けたもので、81分冊に合わせて81枚挿入している。

階層構造

 整理の第1段階 (1976) では54分類に、第2段階 (1977) では46分類となった。

三浦新七先生講義原稿目次一覧表

画像

一橋大学機関リポジトリHERMES-IR へリンク (資料のデジタル画像がご覧になれます)

関連情報

※この資料は、デジタルアーカイブ「研究者手稿類」の収録タイトルです。

研究論文

  • 國方敬司「三浦新七博士講義原稿その他」 『鐘: 一橋大学附属図書館報』第46号(2004年)、1-3頁。

その他

所在

原本 附属図書館 貴重資料室
複製 『三浦新七先生講義原稿』【AZ:152】
   マイクロフィルム【Az:152:CD】