平成19年度一橋大学附属図書館企画展示

阿部謹也と歴史学の革新


I.解説パンフレット    II.出品資料とその解説    III.文献リスト    IV.関連情報    V.講演全文

展示
日    程: 平成19(2007)年11月2日(金)〜9日(金), 12日(月)〜15日(木) 終了しました
場    所: 一橋大学附属図書館 公開展示室(時計台棟1階)
入場時間 :  9:30〜16:30 (閉室17:00) (入場無料)

講演
日    時: 平成19(2007)年11月12日(月) 14:00〜15:30 終了しました
場    所: 一橋大学 西キャンパス 本館 26番教室
講    師: 土肥恒之(一橋大学大学院社会学研究科教授)
演    題: 阿部先生の社会史研究と一橋大学の伝統

「戦後歴史学」の閉塞状況を背景に、日本では1960年代末葉より、歴史学において新しい潮流が現れました。従来の歴史学では、政治史や経済史が中心に据えられ、歴史観としては歴史の法則性や必然性が追究され、発展段階論的な見方が強かったのに対し、「新しい歴史学」は別の方向性を提示しました。その特徴としては、政治や経済に限定せずに人間のあらゆる活動に関心を寄せる視座、単線的でなく紆余曲折を伴うダイナミックな歴史観が挙げられます。そこでは、民衆や女性というカテゴリーを通じ、今まで歴史の舞台ではあまり光の当てられることのなかった者たちの歴史に目が向けられ、食物や住居、性愛、犯罪、教育などの日常生活を構成する諸側面が積極的に掘り起こされました。こうした流れのなかで1970年代後半には、社会史が「新しい歴史学」として一般的にも認知されはじめました。1982年に阿部謹也、川田順造、二宮宏之、良知力を編集同人とする雑誌『社会史研究』が創刊されたのは、象徴的な出来事でした。

現在の歴史研究は、それら「新しい歴史学」の成果を受け継いでおり、これに批判的な立場をとる場合でも、その問題提起的かつ革新的な歴史研究のあり方は、無視できないものといえるでしょう。研究対象とする国や地域、時代ばかりか、学問・専門分野をさえ問わず、「人間の過去の営みを記述する」者たちによって1970年代後半から1980年代にかけて共有されたのは、どういった考え方・態度だったのでしょうか。彼らの革新性は、どこにあったのでしょうか。本企画展示では、歴史研究のあり方に本源的な問いを投げかけ、1979年より約20年にわたって一橋大学社会学部で教鞭を執った阿部謹也元学長の業績を中心に、その歴史学の革新性に迫りたいと考えます。 


解説パンフレット (pdf版: やや軽い(4,165KB) | 重い(9,624KB)) 出品資料とその解説 関連情報
一橋大学附属図書館 学術・企画主担当