江戸東京博物館で開催中の

 「江戸開府四百年・江戸東京博物館開館十周年記念
大江戸八百八町展
 2003年1月5日(日)〜2月23日(日)         【詳細はこちら】

 に、一橋大学附属図書館所蔵の以下の資料が出品されています。



 
 
 

「札差行事文書 背負箱」 文化14年(1817)

「魚問屋記録」 文久4年(1864)

「長谷川木綿店古帳 - 差引帳」 文化2年〜文政5年(1805〜1822)

「江戸町中世渡集」 明治期


□「札差行事文書 背負箱」 文化14年(1817)

 この「背負箱」は、札差一番会所に備え付けられ、「札差事略」が納められていたものである。
 「札差」は、江戸時代に旗本・御家人の代理として、その俸禄米を幕府の米蔵から受け取って委託販売するとともに、それらの俸禄米を担保に金融を営んだ商人仲間のことで、附属図書館所蔵の「札差事略」は、旧札差和泉屋源兵衛家に伝存された札差会所備付本を伊藤賢氏から、また旧札差和泉屋清七家に伝存された一番組備付本を出口清七氏から、それぞれ大正4年に寄贈されたもので,江戸時代の社会経済史・商業史・法制史などの研究には欠くことのできない貴重な史料である。
 


□「長谷川木綿店古帳 - 差引帳」 文化2年〜文政5年(1805〜1822)
 

 この帳簿は、伊勢松阪に本家を持つ木綿問屋、いわゆる伊勢商人の江戸店である大伝馬町木綿問屋長谷川家の帳簿である。
 大伝馬町木綿問屋は、1686(貞享3)年に成立、天明年間(1780年頃)には長谷川家の江戸木綿問屋は5店を数え、豪商といってよい。明治以降も長谷川商店として続いた(現在は、マルサン長谷川株式会社)。
 この古帳は、差引帳、繰綿問屋一件、菱垣回船一件などを含み、江戸期の商人資本、伊勢商人の経営状態などを知るのに欠かせない資料である。
 ちなみに、「古帳」には、「大正11年5月 小池國三氏寄贈」と印が押されている。 この小池國三は、山一証券の前身である小池國三商店の創業者である。
 「小池國三傳」によると、次のとおりである。
 佐野善作と取引所問題等の上で交誼があり、「貴方の學校へ何か意義のあるものを寄附させて戴きたいと存じますが何が宜しいでせう。」という申し出があり、佐野は「取引所及び有價證券に關する書籍を寄贈されてはどうか」と答え、小池は、大正5年5月金五千円を同校に寄附、学校はそれによって良書を購入…これを 同校図書館に備え付け小池文庫と名付けた…
  「一橋大学附属図書館史」によれば、大正6年〜昭和4年にかけて、1,323冊を小池文庫として受け入れており、当時の原簿によれば「古帳」は大正11年5月8日に、35冊335圓で小池文庫として寄贈を受けている。

参考資料:
 ・ 紺野浦二「大伝馬町」學藝書院 , 1936
 ・賀川隆行「江戸木綿問屋長谷川家の経営の転換」三井文庫論叢 33(1999)
 ・三重県史 資料編 近世上
 ・松阪市史 第12卷 史料編
 

作成:2003年1月14日 図書情報係 小野