平成17年度一橋大学附属図書館企画展示
オウエンから一橋へ : 消費組合の成立と展開
明治・大正期の消費組合

1879(明治12)年、東京に共立商社と同益社、大阪に共立商店が設立され、これらが日本で最初の消費組合といわれている。ロッチデール式消費組合にならったものであったが、組合員は特権的な上層士族層を中心とする有力市民に限られ、いずれも数年で消滅した。農 村では、生糸や茶の生産農家が自主的組合を組織し、生糸販売組合や製茶販売組合が生まれた。一方、移植的組合として、農村発展を 目的とした信用組合が設立された。明治期にはヨーロッパから流入した協同組合思想は、農村における生産組合・信用組合として実践 されたといってよい。

日清戦争(1894-95年)が終わると産業革命の進行にともない、労働組合が組織され、内部に共働店と呼ばれる消費組合がつくられた。 しかし共働店の母体である労働組合が、治安警察法(1900年)によって政府に弾圧され、組織を失うと、消費組合も消滅した。この頃、 初期の学生消費組合や海軍工廠等の官府付属組合も生まれている。これらの組合は産業組合法制定の1900(明治33)年頃から現れはじめ 、日露戦争後の工鉱業の発展と物価騰貴の時期に多く設立された。

明治末期から大正期には全国的な組織化も進行し、1905年には産業組合中央会が発足する。産業組合中央会は、組合設立などを支援する機関として設立された。消費組合の連合組織としては全国購買組合連合会・消費組合連盟という形で組織された。

第一次世界大戦(1914-1918年)後の好況とロシア革命の世界的影響の中で、日本の労働運動・農民運動・部落解放運動・学生運動・婦 人運動など各種の社会運動も活発に活動を展開した。米騒動(1918年)前後には各地で本格的な消費組合が開業し、家庭購買組合、購買 組合共益社や神戸消費組合・灘購買組合が生まれ、大正期は消費組合運動にとっても発生期といえる。労働者の消費組合運動も大きな 発展を遂げ、友愛会系の月島購買組合や東京共働社をはじめとする共働社系の組合が各地に設立された。第一次世界大戦後の労働運動 の進展に支えられたこと、消費組合が連合組織を結成してその発展を助けたことが要因といえる。

【参考文献】
一橋大学 附属図書館