平成17年度一橋大学附属図書館企画展示

オウエンから一橋へ : 消費組合の成立と展開

3. 日本における協同組合思想 : 一橋を中心に

3.1 日本における協同組合思想の受容

イギリスで展開した協同組合思想は、日本では明治初期に輸入書籍が流入するとともに、その翻訳書によって普及した。これらの初期の翻訳書のなかには教科書として使用されたものもある。本学の前身の商法講習所の教科書一覧にもフォーセット、ペーリー、ボウエン等の名前が見られる。

M.G.フォーセットの Political economy for beginners は、1873(明治6)年に林正明が、1877(明治10)年永田健助(1844-1909) が相次いで翻訳書を出版し、日本への協同組合思想の流入に大きな役割を果たしたとされている。A.B. メイスン(Alfred B. Mason 1808-1868)とJ.J. レイラー(John J. Lalor 生年不詳-1899)の The primer of political economy を翻訳した牧山耕平『初学経済論』もその後の研究や消費組合運動に多大な影響を与えた。

日本人によるイギリス消費組合の紹介は、1878(明治11)年『郵便報知新聞』に掲載された馬場武義の「協力商店創立ノ議」が最初である。この翌年、共立商社その他の日本初の消費組合が設立された。

消費組合の発祥の地とされたロッチデールには多くの外国人が訪れており、それらの人々の名前はロッチデール公正先駆者組合の来訪者名簿に残されている。日本からも多くの関係者・研究者が視察に向かった。彼らの訪問記もまた消費組合思想を伝えるのに一役買うことになる。

【参考文献】 [出品資料]


一橋大学 附属図書館