平成17年度一橋大学附属図書館企画展示

オウエンから一橋へ : 消費組合の成立と展開

3. 日本における協同組合思想 : 一橋を中心に

3.2 一橋における戦前の協同組合研究

明治後半から昭和に至るまで本学で教鞭をとった上田貞次郎(1879-1940)はロバート・オウエンや協同組合に関する論考を多数発表している。国家の指導する産業組合を批判し、オウエンに始まる自律協同の精神を基とした協同組合を説く彼の主張は、その後の思想と運動に影響を与えた。

上田の指導を受けた緒方清(1896-1934)は、イギリスに留学し、シドニー・ウェッブ(Sidney Webb 1859-1947)に学んだ。1925(大正14)年帰国後は本学の助教授として迎えられ、社会政策を講ずるとともに、消費組合研究に精力的に取り組む。モスコウ式ではなく、ロッチデール式消費組合を是とするところが、彼の主張の特徴である。

福田徳三(1874-1930)も協同組合に大きな関心を寄せ、ロッチデールやドイツの消費組合事情を紹介するとともに、本学に学生消費組合を設立することを提唱している。

昭和を代表する社会主義の思想家であった大塚金之助(1892-1977)は無産者消費組合に強い関心を持っていた。一方で、「左翼の人々の中ではロバート・オーエンは空想的だと省みない空気があるけれども、そこの含まれている正しいものを見落としてはならない」と述べている。

【参考文献】 [出品資料]


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