平成17年度一橋大学附属図書館企画展示

オウエンから一橋へ : 消費組合の成立と展開

5. 一橋大学所蔵オウエン・協同組合関係資料

一橋大学には昔から、ロバート・オウエン関係の文献が相当数所蔵されていたが、これに後年、以下に紹介するような文庫・コレクションが加わり、オウエンおよびイギリスの協同組合、社会主義運動に関する世界有数の蔵書が形成されている。文庫・コレクション以外の一般図書も含めて、附属図書館、社会科学古典資料センター、経済研究所資料室、社会科学統計情報研究センター、イノベーション研究センターのそれぞれに関連文献が所蔵されている。

5.1 外池(といけ)文庫

ロンドンの古書籍商ピーター・イートン(Peter Eaton 1914-没年不詳)の収集した協同組合運動、ロバート・オウエン関係文献・史料を、本学出身(1910(明治43)年、東京高等商業学校本科を卒業)の外池五郎三郎(1888-1982)氏(化粧品メーカー柳屋本店社長)が購入し、1959(昭和34)年に母校に寄贈したものである。イートンは自身の出身地ロッチデールに因んで、イギリス協同組合の起源と発展を中心として、周辺の地方史やイギリス社会思想史をも包括した収書をおこなった。ロッチデール公正先駆者組合の原典資料や、オウエンをはじめとする手稿類も含んでいる。

貴重図書(1850 年以前の刊行物、および、手稿等)は社会科学古典資料センター、それ以外は附属図書館に配架。洋書2,183 冊。冊子体の『外池文庫目録』が1959年12月に刊行されている。

5.2 星島コレクション

立教大学および上智大学教授であった星島茂(1891-1961)氏が収集したロバート・オウエン関係の文献。社会科学古典資料センター所蔵。洋書約250冊。コレクションとしての別置はしておらず、一般貴重書に混配している。

星島氏は、早稲田大学出身で、ヨーロッパ留学中にロンドンで古書店に通い、オウエンの著作を中心に社会科学関係の書物を博捜した。当時1920 年代のヨーロッパには、ソ連のマルクス・エンゲルス研究所のために所長リャザノフ(David Riazanov 1870-1938)が文献を大量に買い付けに来ており、星島氏とリャザノフはオウエン関係の文献をめぐって競争になった。

星島コレクションを一橋大学が丸善から購入したのは1944(昭和19)年秋だが、国立キャンパスへ搬入したその数日後には江戸橋の丸善の書庫は空襲で焼失してしまった。このコレクションは、危うく焼失の危機をまぬがれたのである。さらに、この丸善からの購入分以外についても、星島氏の自宅を直接訪問して、他の売却先の書店を尋ね、また、手許に残っていた残部の譲渡をお願いした結果、星島氏が収集したオウエン関係のコレクションはほぼ完全な形で一橋大学に収蔵されるに至った。

5.3 Co-operation in Great Britain コレクション

イギリスの協同組合に関するコレクション。研究書のほかに、協同組合運営の実務に関する資料も含んでいる。経済研究所資料室所蔵。洋書174 冊。


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