平成18年度一橋大学附属図書館企画展示
江戸時代の豪農と地域社会 : 岡田家文書の世界

岡田家

岡田家は河内国丹南郡岡村(現大阪府藤井寺市)の庄屋であり、地主・金融などを業としていた。岡田家文書は岡田泰典氏によって仮寄託がなされ、2001年に岡田績氏より本学附属図書館に譲渡された。18世紀以降明治初年までの村方史料、幕末から昭和期にかけての小作関係史料、地方銀行関係史料、その他商業史関係史料は約13,000点にのぼり、多様な視角からの研究の可能性を秘めた貴重な史料群である。


[邸内の茶室]
[蔵の中の様子]       
[奥座敷]

岡田家文書の整理と修復保存措置

本学附属図書館では、貴重な資料を後世に伝えるために、目録作成および修復・保存措置を行い、温湿度管理の行き届いた貴重資料室に保管している。

目録作成作業は、渡辺尚志本学社会科学研究科教授の指導のもと、附属図書館と大学院生が共同して行なっている。1点1点を中性紙の封筒に入れ、カード作成とデータ入力が進行中であるが、現在、ほぼ完了に近づきつつある。

  [搬入された文書]
[中性紙封筒に封入した文書]
[整理風景]

整理の済んだ資料から、順次、専門家の手で修復・保存措置も行なっている。2002・2003年には、刷毛で塵をはらい、皺伸ばしを行ない、劣化の激しい史料については修復措置を施した後、史料の形態に応じた中性紙箱を作成した。

[修復前] [修復後]
修復の写真は『一橋大学附属図書館所蔵漢籍、文書・記録史料の修復保存処置報告書』(TRCC東京修復保存センター2004.5)による

[箱の作成]     [貴重資料室への配架]

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銀札 -未整理の岡田家文書から-

岡田家文書の未整理の文書の中にもまだまだ貴重な資料が数多く含まれている。その代表はダンボール2箱分の銀札である。

銀札とは江戸時代に発行された銀貨との兌換紙幣である。大坂江戸堀川の桔梗屋伍郎右衛門・紀伊国屋藤左衛門の発行した私札が有名である。そのほか、各地の藩は領内でのみ通用する藩札を発行していたが、藩財政窮乏の結果、藩札が乱発され、経済の混乱をきたすこともあった。そこで、明治4(1871)年に政府が藩札の回収命令を出している。岡田家に大量の銀札が残されている理由はこのような事情があったのかもしれない。詳しい研究が待たれるところである。


一橋大学附属図書館 学術・企画主担当