平成18年度一橋大学附属図書館企画展示
江戸時代の豪農と地域社会 : 岡田家文書の世界

国訴 [展示ケース9]

畿内における訴願運動の特徴として国訴が度々行われたことがある。国訴は、綿や菜種油など農産物や加工品販売をめぐる大坂問屋の流通独占の否定や高価格での販売を求めて、1,000ヶ村を超える村々が連合した民衆運動である。

摂津・河内・和泉国の幕領の場合、このような広域訴願が実現できた背景に、郡中・組合村による運営体制を基軸に代官支配の違いを超えて連絡をとりやすかったこと、その際に集会所として大坂にある「郷宿」が機能していたことがあった。

国訴は、暴力的な行動をともない、大人数が直接的に行動する百姓一揆などとは違い、合法的な民衆運動であった。その訴願形式は、各代官所支配所村々や郡中村々の範囲ごとに訴願の代表者(「頼惣代」)を取り決めてから出訴するものであった。国訴という民衆運動の勝利は、大坂町奉行所が出す「国触」によって取締が徹底されることにあった。


出品資料
一橋大学附属図書館 学術・企画主担当