複式簿記がやってきた!

明治初期簿記導入史と商法講習所

簿記棒

 本学卒業生(昭23)の外岡諒三郎氏から、父松五郎氏(明44高等部卒)が実務と立教大学での講義で使用していた「簿記棒」として寄贈されたもの。

 簿記學辭典 Nishikawa-312 によれば:

まるぢやうぎ【丸定規】
 記帳の際罫線を引くに用ふる棒をいふ。詳しくは『るうらあ』(Ruler)及『るうらあしようはふ』(Ruler使用法)の條を見よ。

るうらあ【Ruler】
 帳簿に罫線を引くに用ふる丸定規をいふ。ルーラーは其の太さ、長さ一定せざれども、實際使用に便なるは大さ直径一吋、長さ十五吋のものとす。材料は樫等の如き木質堅靱にして密に且つ反りの生ぜざるを良しとすルーラーは使用上重きを可とするが故に材料も成るべく重きものを撰ぶと同時に木材の中心に鉛を入れ目方を付するが如き手段をとることあり。

とあります。

簿記の栞(少年商業文庫) Nishikawa-305 には、「第六 丸定規」という章があります。

次郎は太郎の小遣帳の眞似をして、始めは鉛筆で罫を引きましたが、お店の帳簿を見てから急に其通りに赤い線で拵えて見様と思ひまして、西洋の罫紙を買つて來まして、お店から赤インキと、丸定規とペンとを借りて、線を引いてみましたが、丸定規がごろごろして如何しても眞直に線がひけません。途中まで引くとごろごろと廻はつて仕舞つてだめになります、三度も四度もやつて見て漸く、上手に引けましたから、お店の人のする様に、ごろごろと廻はして次の罫を引こーとしましたら、前に引いた時に、丸定規を好く拭いて置かなかったものですから、紙の上にべつたり赤いインキが付いて仕舞いました。
 簿記は六ケ敷ものではないのですが、最も丁寧に、清潔にやらなければならないもので、罫を引くことすら満足にできない様では中々大変です、先罫引の稽古から、数字の勉強、是が第一に必要です、罫は凡て二重に引くのが通常で、金銀と圓と銭の堺だけを一本に引く事になつて居ります(後略)

簿記の栞

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