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複式簿記がやってきた!

明治初期簿記導入史と商法講習所
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複式簿記の誕生と発展


13世紀初頭〜14世紀末 イタリア

 複式簿記は、地中海貿易で繁栄したイタリアの商業都市で、商業と銀行業の記録・計算の道具として実務のうちから誕生・発達し、15世紀に体系的組織を確立しました。
・ 複式簿記を解説した世界最古の出版物

ルカ・パチオリ(Luca Pacioli) 「スムマ」 1494年刊 (ヴェニス)Eb-1902(reprint ed.)


「スムマ」以後、ヴェネチア式簿記は、各国語に翻訳されヨーロッパ諸国に広まっていきます。


16世紀〜17世紀 オランダ

 16世紀以降、コロンブスのアメリカ発見(1492年)、ヴァスコ・ダ・ガマの喜望峰迂回によるインド航路発見(1498年)などを契機に、イタリアの商業都市の衰退に伴って、商業上の覇権が地中海から北部ヨーロッパ諸国に移っていきます。
 簿記研究の中心も、オランダの新興商業都市のアントワープやアムステルダムに移行します。
 それまで、大市<メッセ>での現金決済が中心であったものが、都市に店舗を構えて商取引をするようになります。また、オランダ東インド会社(1602年設立)などの大規模な組織を経営する必要から、簿記が発達していきます。

  • ・口別損益計算から総合損益計算へ 1543年刊(アントワープ)
    ジャン・イムピン(Jan Ympyn) 「新しい手引き」 EAe-7-28(reprint ed.)
  • ・年次期間損益計算の提唱 1605年刊(アムステルダム)
    シモン・ステヴィン(Simon Stevin) 「数学の伝統」 EAe-7-29(reprint ed.)


18世紀〜19世紀前半 イギリス

 18世紀になって、北ヨーロッパにおける商権がイギリスに移り、資本主義経済が発達するに伴い、近代会計学がイギリスにおいて誕生します。
 18世紀後半から19世紀前半にかけて、産業革命により商業資本主義から産業資本主義の時代へと推移していきます。
 大規模企業による大量生産経営の出現、保険業・銀行業の開設がなされますが、これらの企業には、巨大な固定設備と莫大な資本が必要となります。そこで固定資産会計が重要な会計問題となり、この固定資産の期間損益計算への関連認識が近代会計学を成立させることになるのです。
 イギリスにおける会計学は、「会計士会計学」として展開していきます。

  • 監査論分野における最初の体系的文献 1881年 Ed-62(1887 4th ed)
    ピックスレー(Francis Pixley) 「監査人―その義務と責任」
  • 職業監査人を対象に特定の事業や取引に焦点をあわせて解説 1892年
    ディクシー(Lawrence Dicksee) 「監査論―監査人の実践マニュアル」I-28-117(1898 3rd ed)

 イギリスの会計士会計学は、その後、19世紀末から20世紀初頭にかけてアメリカへ移り、アメリカの会計学に影響を及ぼし、進化発展してゆきます。


参考文献
  • 会計史および会計学史(体系近代会計学4) 昭和54 中央経済社
  • 会計学辞典 第5版改訂増補版 平13 同文館
  • 馬場克三・内川菊義, 基本簿記学概論 1960.3 春秋社
  • 友岡賛, 歴史にふれる会計学. 有斐閣 1996.11
  • 片野一郎訳, リトルトン 会計発達史. 同文館 1952.7

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