複式簿記がやってきた!

明治初期簿記導入史と商法講習所
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複式啓蒙記簿楷梯

書名   複式啓蒙記簿楷梯 / 石井義正編;白井屑校
別書名 =複式啓蒙記簿法楷梯:完
出版事項=和歌山 北畠茂兵衛 1877.12
形  態=35丁;27cm
注  記=題簽標題:複式啓蒙記法簿楷梯:完
     Nishikawa-17

2 内容
● 日本人が最初に編集した複式簿記書。初歩的な複式簿記の入門手引書。
・ 明治6年以後、シャンド、マルシュ等主要簿記書が翻訳されたが訳書は大部なので簡略化が必要になった。その後諸書をミックスし、アラビア数字を使用したものが出版されていくが、この本ではアラビア数字はまだ使用していない。
・ 日本数字縦書きの仕訳日記帳(日記という)と元帳(原簿という)との記帳例と計算表を示したもの。例題は豪農の家計。
● 日本で最初の振替伝票を使用。
・ 記帳例の伝票(手形という)番号から、入金、出金及び振替の3種の伝票があることがわかる。
・ 元帳に現金口座を開き、試算表には総差引残高を赤字で「残現金」と記している。
● 官庁簿記複式化に備えた啓蒙書。
・ ポルトガル人プラガを大蔵省造幣局が招聘。(Vincent Emilio Braga, 1841-1911)
   明治初年に来日。明治8年大蔵省に移り簿記法改正の指導を開始する。政府はプラガの指導に従い、12年以後複式簿記を採用し、22年には単式簿記に戻している。

3 著者等
・ 著者石井義正は静岡県士族、名は始め徠司。早くから西洋簿記を学び、大蔵省
 で伝票・記簿を担当した。ポルトガル人プラガの講習を受けて、大蔵省記録寮簿記課、伝票課に勤続、明治19年退職し、東京小石川に大日方簿記講習所を開く。
 その他の著作「実地独習単複商業簿記法捷径」本編・帳簿・諸表等19冊(明20年)
       「実地独習商業簿記学単複捷径」上記図書の縮約改訂版
・ 校訂者白井屑は東京府士族。大蔵省記録寮出仕 

4 成立と出版
・ 奥付:明治10年12月26日版権免許。「文献解題」には出版は11年1月(内務省出版書目月報)とあり。
・ 奥付には出版人:和歌山縣平民 北畠茂兵衛、見返しには千鐘房蔵版とあり。西川解題では千鐘房須原屋 北畠茂兵衛(東京日本橋通1丁目十五番地)。須原屋茂兵衛(すわらやもへえ)は江戸の書物問屋。北畠氏。家号は千鐘房。貞享・元禄の頃から出版を始め、やがて江戸最大の書物問屋となった。明治に入って衰え、明治37年(1904)に閉店。定価25銭。
5 版式・構成
● 印刷:木版刷美濃判(18.5×26.8cm)和とじ本(35丁)1冊
● 表紙:濃藍色網目模様地紋入
● 版式:無辺無界(わくなし)

6 参考文献、
 「日本簿記学生成史」雄松堂書店 1982.6 65-73頁
 「複式啓蒙記簿楷梯」(復刻叢書 簿記ことはじめ 5)雄松堂書店 1979.9
 「国史大辞典」吉川弘文館 1987.10

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