複式簿記がやってきた!

明治初期簿記導入史と商法講習所

銀行簿記精法

書  名 = 銀行簿記精法 / 啊爾嗹暹度述 ; 海老原濟, 梅浦精一訳
出版事項 = 東京 : 大蔵省 , 1873.12
形  態 = 5冊 ; 26cm
注  記 = 刪補校正:小林雄七郎 宇佐川秀次郎 丹吉人 督纂:芳川顯正, 祝文:福地源一郎
ローカル注記= Ef-10に「紙幣寮官籍」印, 販売時の袋あり
著  者 = Shand, Alexander Allan
       海老原, 済<エビハラ, ワタル>
       梅浦, 精一<ウメウラ, セイイチ>
       福地, 源一郎(1841-1906)<フクチ, ゲンイチロウ>

[ 所蔵事項 ]
118050833T 国立 書庫 Nishikawa***2**1
nishikawa2-銀行簿記精法
nishikawa2-銀行簿記精法 nishikawa2-銀行簿記精法

書  名 = 銀行簿記精法, 5巻 / 啊爾嗹暹度述 ; 海老原濟, 梅浦精一譯
出版事項 = 東京 : 紀伊國屋源兵衞 , 1873.12
形  態 = 1冊 ; 26cm
注  記 = 刪補校正: 小林雄七郎, 宇佐川秀次郎, 丹吉人        督纂: 芳川顯正
著  者 = Shand, Alexander Allan
       海老原, 濟<エビハラ, ワタル>
       梅浦, 精一<ウメウラ, セイイチ>
[ 所蔵事項 ]
118050838Y 国立 書庫 Nishikawa***2*A*
nishikawa2-銀行簿記精法

<内容>   日本における最初の複式簿記
明治5年11月施行の国立銀行条例に基づく新設銀行のために大蔵省が翻訳し、編集刊行したもの。本文の前にある凡例22枚はシャンドの原案の不足部分を補ったものである。主簿組織はすべての取引を伝票から日記帳(現金出納を総合仕訳帳とする)を経て、元帳にする仕組みである。帳簿は日本数字の左横書きで、造幣寮に先例があった。この書は永くわが国銀行簿記の原典として重用せられ、その主簿組織はシャンド式簿記法として、広く一般実業界にも普及した。

統一簿記制度と銀行簿記精法
  「銀行簿記精法」は火急の要請に迫られて成立したものである。別に制定された国立銀行報告差出方規則等、種々の施策(別図参照)と同時に並行的に行われて、それら全部が統一簿記制度(uniform sysem of bookkeeping)を構成し、「銀行簿記精法」が中心的存在だったのである。先進国のエキスパートが他国に招かれて編集をしたという特殊な過程を経て成立した簿記書は他に類例がない。

<著者・訳者等>

 ●原著者 シャンド Alexander Allan Shand(1844〜1930)

A. A. Shand について
スコットランドのAberdeenの名家に生まれる。Chartered Mercantile Bank of India,London & Chinaの一員として1866年に来航。1869年には、Acting Manager であった。1872年7月に大蔵省に招かれ10月1日紙幣寮付属書記官として銀行簿記制度立案に着手。1873年銀行簿記脱稿。大蔵官員、第一国立銀行員に講習した後、一時帰国し明治7年10月再渡来し、紙幣寮外国書記官兼顧問長に任じられ銀行学局の指導教授、銀行検査官等を兼務した。明治10年3月退官し帰国。

 ●督纂  芳川顕正 紙幣頭従五位(天保12年12月10日〜大正9年1月9日)
徳島県出身。越山と号す。伊藤博文の随員として渡米の後明治5年紙幣頭となり「銀行簿記精法」を監修。後に東京府知事、文部、司法、内務、逓信各大臣、宮中顧問官、枢密顧問官等歴任。

 ●訳者

海老原済
東京府出身。当時30歳ぐらい。シャンドの通訳として誠実に真意を伝達したと渋沢栄一らが言っている。短命で官員録の記載は明治7年紙幣寮八等出仕。9年紙幣大属で終わる。翻訳には他に一般銀行条例・同成規、シャンド述一般銀行条例案の弁などがある。

梅浦精一(嘉永5年2月〜明治45年3月)
越後長岡出身。明治5年紙幣寮九等出仕。シャンド原本の翻訳を担当す。明治6年新潟県一等訳官兼新潟英語学校教頭。その後、12年実業界に入り東京商業会議所書記長ほか多くの事業に携わり、石川島造船会社社長在職中長逝。

<版式・構成>

  • 美濃半紙版和装本
  • Nishikawa**2**
    • (表紙)濃藍色網目模様地紋入(艶出し)/「銀行簿記精法」
    • (見返し)紅色 「明治6年12月 銀行簿記精法 大蔵省」
    • (巻頭)「紙幣寮官籍」印 第一冊、第二冊
    • (小口)白口 単魚尾 「銀行簿記精法」
  • Nishikawa**2**A
      合本一冊
    • (巻頭)「小田」印、「一橋大学図書」
    • (奥付)「官版 御書物所 東京室町三丁目 紀伊国屋源兵衛」
  • Ef**10**
    • (表紙)濃藍色網目模様地紋入
    • (見返)躑躅色/「明治6年12月刊行 銀行簿記精法 大蔵省」
    • (巻頭)「紙幣寮官籍」「牧野文庫」「東京高等商業学校」
  • Ef**10**A
    • (表紙)正本に同じ
    • (見返)黄色/「明治6年12月刊行 銀行簿記精法 大蔵省」
    • 「大蔵省蔵版印」
    • (巻頭)「東京商業学校図書印」「高等商業学校図書印」
    • ●巻二の巻頭 「東京外国語学校図書」 
  • Ef**10**B
    • 合冊して改装済み
    • (表紙) 濃藍色 卍つなぎ(艶出し)
    • (見返)躑躅色/「明治6年12月刊行 銀行簿記精法 大蔵省」
    • 「大蔵省蔵版印」
    • (巻頭)「泉田」
    • (奥付)「官版 御用御書物師 北畠茂兵衛」
  • Ef**10**C
    • (表紙)濃藍色網目模様地紋入
    • (見返)躑躅色/「明治6年12月刊行 銀行簿記精法 大蔵省」
    • (巻頭)「大蔵省銀行課」「東京商業学校図書印」「高等商業学校図書印」
  • Ef**10**D
    • (表紙)
    • (見返)黄色/「明治6年12月刊行 銀行簿記精法 大蔵省」
    • 「大蔵省蔵版印」
参考文献 
  • 西川孝治郎「日本簿記史談」     同文館  1971.1.
  • 西川孝治郎「簿記ことはじめ」    雄松堂  1979.4.
  • 「近代会計百年-その歩みと文献目録」 日本会計研究学会  1978.11.
  • 西川孝治郎「シャンド原著 銀行簿記精法」 (「商学集志」37巻1号 1967.7.)
  • 西川孝治郎「シャンド式簿記の起源について」 (「会計」70巻5号 1956.11.)
  • 青木茂「日本会計発達史」
  • 土屋喬雄, シャンド : わが国銀行史上の教師. 東洋経済新報社 1966.7
  • 土屋喬雄, お雇い外国人8 : 金融・財政. 鹿島出版会 1969.5
  • 片野一郎, 日本銀行簿記精説. 中央経済社 1956.11
  • 片野一郎, 日本・銀行会計制度史(増補版). 同文館 1977.2
  • 佐藤勘助・大堺利實共著, 現代銀行会計原理. 文雅堂銀行研究社 1969.3

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