日・EUフレンドシップウィーク
企画展示    欧州統合:ヨーロッパ概念の変遷



日    程:  2008(平成20)年5月13日(火)〜5月30日(金)     9:00〜16:00(入場無料)  うち、土日曜日は閉室
場    所: 一橋大学附属図書館 公開展示室


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日・EUフレンドシップウィーク
企画展示 開催のご挨拶



欧州連合EUの創設記念日(ヨーロッパ・デー)を中心とする日・EUフレンドシップウィーク企画一環として、 一橋大学附属図書館では、駐日欧州委員会代表部から提供されたEU情報センターの資料に加え、 EUIJ東京コンソーシアムからの協力を得て、5月13日(火)より5月30日(金)までの2週間にわたり、 「欧州統合:ヨーロッパ概念の変遷A History of the Ideas of European Unity」というテーマで、企画展示を実施することとなりました。

ヨーロッパ・デーとは、1950年5月9日にフランスの外務大臣であったロベール・シューマンがパリで、いわゆるシューマン宣言を読み上げた日です。 このシューマン宣言は、欧州石炭鉄鋼共同体ECSC、すなわち、石炭と鉄鋼の最需要基幹産業の超国家的な欧州の機構の創設を提唱したものです。 ECSCは、後に、長年にわたって拡大と深化を遂げて、現在、皆様が目にする形のEUとなりました。 欧州理事会は、この5月9日をEUの創設記念日と決め、お祝いをしております。 この日にちなんで、日本においてもEUに対する理解を深めるために、そして、日本とEUとの間の交流を拡げるために、5月9日を中心とした日・EUフレンドシップウィークにおいて、EUに関する企画展示を行うことになりました。

一橋大学附属図書館が今年の日・EUフレンドシップウィーク企画展示のテーマとして選んだのは、「欧州統合:ヨーロッパ概念の変遷 A History of the Ideas of European Unity」です。 ECSCは、石炭と鉄鋼の最需要基幹産業の超国家的な欧州の機構の創設を目的として6か国でスタートしました。 その後、EU加盟国は徐々に増加し、現在では、27か国となっています。 さらに、将来のEU加盟候補国としてトルコやクロアチアも加盟交渉に入っています。 同時に、政治・経済統合が深化し、欧州憲法条約から改革条約への動きが見られる一方、EU15か国で単一共通通貨ユーロが既に導入されています。 このようなEUの拡大と深化の歴史のなかで、欧州統合というアイデア、概念がどのように変遷してきたかを、一橋大学附属図書館に所蔵されている原資料、あるいは、EUのwebsiteでアクセスできる原資料を紹介しながら綴ってゆきます。 それによって、皆様にEUに対する理解を深めていただくとともに、一橋大学附属図書館にEUに関する資料が多数所蔵されていることを知っていただき、今後の学習・研究に役立てていただければ幸いです。



一橋大学附属図書館長  斎藤 修






(1) 10のモーメント   (2) 拡大するEU   (3) EUIJ東京コンソーシアム   (4) 一橋大学COEプログラム  





  (1) 10のモーメント


【参考】


  1. 1951年 欧州石炭鉄鋼共同体European Coal and Steel Community (ECSC) の設立
  2. 1950年5月9日、フランス外相 ロベール・シューマンSchuman, Robert (1886-1963) は、フランスとドイツの石炭・鉄鋼産業を共同管理することを提案した。 この声明をもとに、翌年4月18日にパリ条約が結ばれ、ECSCが創設された。毎年5月9日の「ヨーロッパ・デー」の由来はここにある。

    シューマン宣言は、世界平和を訴える一文に始まる。 ヨーロッパの平和を取り戻すため、武器弾薬の材料となる石炭と鉄鋼を共同管理し、仏独2国間の戦争を物理的に不可能にし、ヨーロッパの連合に向けた基盤をこれに求めることが提唱された。 参加国はベルギー、フランス、ドイツ、イタリア、ルクセンブルグ、オランダの6か国で、ここに石炭と鉄鋼の共通市場が創設された。


    【原文】
    http://europa.eu/abc/symbols/9-may/decl_fr.htm
    http://eur-lex.europa.eu/en/treaties/index.htm
    【駐日欧州委員会による仮訳】
    http://www.deljpn.ec.europa.eu/union/showpage_jp_union.day.1.php


  3. 1957年 ローマ条約の調印
  4. ECSC 6か国は、1957年3月25日にローマ条約に調印し、より広範なモノとサービスの共通市場を築くべく、1958年に欧州経済共同体European Economic Community (EEC)が設立された。 1968年7月1日には、6か国間の関税が完全に撤廃された。


    【原文】
    http://europa.eu/scadplus/treaties/eec_en.htm
    http://eur-lex.europa.eu/en/treaties/index.htm


  5. 1973年 欧州共同体European Communityが9か国に
  6. ECの第1回目の拡大に相当し、デンマーク、アイルランド、イギリスが参加した。 これに伴い新しい社会・環境政策が導入され、1975年には欧州地域開発基金European Regional Development Fund (ERDF)が設立された。



  7. 1979年 欧州議会European Parliament選挙の実施
  8. 欧州議会は、EU市民を代表する機関で、EUの諸活動に関して政治的監督権を有し、立法過程の一部も担う。1979年以降、議員は5年に1回の直接普通選挙で選出されるようになった。



  9. 1981年 ECが地中海方面に拡大
  10. 1981年にギリシア、1986年にスペインとポルトガルがECに参加を果たした。



  11. 1993年 単一市場の完成
  12. 「ユーロ・ペシミズム」を背景に、1985年に欧州委員会が1993年1月1日までに欧州単一市場を完成させる計画を示した「白書」を発表した。



  13. 1993年 マーストリヒト条約により欧州連合European Union (EU)が誕生
  14. ベルリンの壁崩壊(1989年)に端を発し、1990年代に入ると欧州の政治的な構図は大きく変化した。 これに合わせEU加盟国は、新しい欧州連合条約の交渉を行い、同条約は1991年12月、オランダのマーストリヒトで欧州理事会により採択、1993年11月1日に発効した。 ECの統合構造に政府間協力の領域が加わり、ここにEUが設立された。


    【2003年のアテネ条約を経た修正版】
    http://eur-lex.europa.eu/LexUriServ/LexUriServ.do?uri=OJ:C:2006:321E:0001:0331:EN:PDF
    http://eur-lex.europa.eu/en/treaties/index.htm


  15. 1995年 EUが15か国に拡大
  16. ベルリンの壁が崩壊したり、東欧諸国がソヴィエトの影響下を脱するなど歴史的な変動を経て、欧州大陸の地政学的状況も変化した。 これに促され、オーストリア、フィンランド、スウェーデンが加盟した。



  17. 2002年 ユーロの流通が開始
  18. 単一通貨「ユーロ」は、1999年に会計取引(非現金)に用いられ、2002年にはEU加盟国のうち12か国で紙幣と硬貨の流通が開始された。


     欧州中央銀行のウェブサイト http://www.ecb.int/home/html/index.en.html で、詳細かつ最新の情報がご覧になれます



  19. 2004年 EUに10か国が新規加盟
  20. 史上最大規模の拡大と呼ばれ、A. 旧ソヴィエト圏諸国(チェコ、ハンガリー、ポーランド、スロヴァキア)、 B. ソヴィエト連邦に属していたバルト三国(エストニア、ラトヴィア、リトアニア)、 C. 旧ユーゴスラヴィア連邦の1か国(スロヴェニア)、D. 地中海の2か国(キプロス、マルタ)が新しくEUに加盟した。 2007年には、同じく旧ソヴィエト圏にあったブルガリアとルーマニアが加盟した。




  (2) 拡大するEU


【参考】


◆ 拡大のプロセス

0


1951

ベルギー、フランス、ドイツ、イタリア、ルクセンブルグ、オランダ

6か国

I

1973

デンマーク、アイルランド、イギリス

9

II

1981

ギリシア

10

III

1986

ポルトガル、スペイン

12

IV

1995

オーストリア、フィンランド、スウェーデン

15

V

2004

キプロス、チェコ、エストニア、ハンガリー、ラトヴィア、リトアニア、マルタ、ポーランド、スロヴァキア、スロヴェニア

25

VI

2007

ブルガリア、ルーマニア

27


 http://eur-lex.europa.eu/en/treaties/index.htm で、条約の原文が手に入ります
  発足から第6次拡大までに発表された公式文書は、それぞれ以下に示すとおり

EUの拡大は、現在までに6段階あるが、単純な数だけでなく意義の面でも最大であったのは、2004年の第5次拡大である。 上記の10か国が新規に加盟することにより、1945年以降続いたヨーロッパの分断に終止符が打たれた。

現在の加盟候補国は、トルコとクロアチアの2国である。 トルコは北大西洋条約機構(NATO)の加盟国として、EUと協定関係にあるが、地理的・政治的なあり方が原因で加盟申請の回答に時間を要した。 しかし2005年10月に加盟交渉が開始され、クロアチアとの交渉も進められている。



◆◆ 加盟の条件 ◆◆

1957年に調印されたローマ条約第237条には、「欧州すべての国は、共同体の構成国となることを申請できる」と記されている。 EUの具体的な加盟基準は、1993年に「コペンハーゲン基準」Accession criteria/Copenhagen criteriaとして定められた。それは以下の3点である。




  (3) EUIJ東京コンソーシアム



EUIJは、日本におけるEU研究の学術拠点です。欧州委員会から補助金を受け、一橋大学、国際基督教大学、東京外国語大学、津田塾大学の4つの大学から成るコンソーシアムにより運営されています。


  1. 情報・資料収集

  2. EUコース
  3.  コンソーシアム校(一橋大学、国際基督教大学、東京外国語大学、津田塾大学)は、EU Institute in Japanプロジェクトの「コンソーシアム協定書」に基づき、 日本におけるEU研究、EUとの国際交流、EUの普及活動の促進のための一環として、一大学では提供できないEU関係教育プログラムを相互に提供している。 所属大学在学中にEUコースで定められた履修科目の所要単位を修得し、かつ卒業要件を満たした場合にEUコース修了が認定される。

  4. 学術支援制度

その他 日・EUに関する詳しい情報は、こちらまで
  >> 駐日欧州委員会代表部
  >> EUIJ事務局   一橋大学マーキュリータワー5階 3504  TEL: 042 580 9117  FAX: 042 580 9109  E-mail: euij-tokyo@ad.hit-u.ac.jp



  (4) 一橋大学COEプログラム 「ヨーロッパの革新的研究拠点:衝突と和解」


同プログラムは2004年に、日本学術振興会(JSPS) の「21世紀COEプログラム」に選定されました。 スタッフは、本学の経済学研究科、法学研究科、社会学研究科、経済研究所の40名から構成され、研究班は、テーマごとに以下の4つに分かれています。

そのウェブサイト http://cner.law.hit-u.ac.jp/index_html-ja では、イベント案内、拠点メンバーによる書籍の紹介があるほか、 「ディスカッション・ペーパー」「レクシャー・シリーズ」のPDFファイル、および本学が所蔵する古典資料の目録を公開している。





一橋大学附属図書館 学術・企画主担当