日・EUフレンドシップウィーク企画展示
EUの公用語

ドイツ語

ドイツ語はゲルマン語派のうち、英語やオランダ語などとともに西ゲルマン語群に属します。アクセントは原則として単語の先頭に強勢が置かれます。文字表記と発音の対応はかなり規則的です。固有名詞以外の一般名詞も語頭を大文字で表記します。形容詞は、固有名詞から派生するものでも文中では語頭を小文字で表記します(※英語のように固有名詞の派生語の語頭を常に大文字で表記する言語は、世界的に見てむしろ珍しい)。引用符は、 ‚xxx‘   „xxx“ のように、外側に向いて開いている形のものが使われます。名詞、形容詞、冠詞は、性(男性・女性・中性の3種類)・数(単数・複数)・格(主格・属格・与格・対格の4種類)に従って語形変化します。

ドイツ語の文章には、どの辞書の見出し語にも載っていないような単語が頻繁に出てきます。それは、辞書が悪いせいではなく、他の多くの言語であればいくつかの単語に分かち書きして表記するようなところを、ひとつながりの語として書く傾向・慣習がドイツ語にはあるからです。そのため長い複合語がしばしば出現するので、どこで区切れば見出し語になるかを見分けられないと、辞書で意味をみつけることができません。

「英語では「性」といえば、もっぱら人称代名詞の he、she が問題になるぐらいで、それも「自然の性」、つまり「男」か「女」かの区別に限られています。特別な「擬人化」の場合を除いて、名詞に「性別」があるというのは、英語では考えられないことですし、それは私たちにとっても同様です。
   しかし、「名詞の性」をもたない英語や日本語は、じつは世界の言語から見れば、必ずしも多数派というわけではないのです。
「名詞の性」というのは、要するに名詞が何種類かのグループに分かれているということです。ですから、別に「性」という言葉を使わないで、たとえば、1類名詞・2類名詞・3類名詞とか、A類名詞・B類名詞・C類名詞と名づけても、いっこうにかまわないのです。ただ、ヨーロッパの言語ではこのグループ分けを、伝統的に「男性」「女性」「中性」と呼んでいます。」
(福本義憲『はじめてのドイツ語』東京 : 講談社, 1991 (講談社現代新書 ; 1073), p.48)
「   ドイツ語は有「性」言語であると同時に、有「格」言語です。いきなり「格」というと、ひどく難解な文法用語の感じがしますが、私たちの日本語だってちゃんと「格」をもっています。
   日本語は名詞の「性」こそもちませんが、有「格」言語である点はドイツ語と同じです。たとえば、「その女がその男を知っている」と言ったとき、主語を表わす「その女が」の「が」、目的語を表わす「その男を」の「を」は、格助詞と呼ばれます。つまり、格助詞は名詞や代名詞について、文の中での相互の関係を表示するわけです。
   ドイツ語の「格」の働きも、基本的にこれとまったく同じです。ただ、手段が違うのです。日本語は格助詞を使いますが、ドイツ語は名詞や代名詞の「格変化形」によって示されます。しかも、名詞そのものというよりも、冠詞の形によって格が表わされるのです。」
(福本義憲『はじめてのドイツ語』東京 : 講談社, 1991 (講談社現代新書 ; 1073), p.100)
「ドイツ語の名詞は男性・女性・中性のいずれかの「性」を必ずもっています。そして、その「性」が示されるのはもっぱら冠詞である、といいました。この「性」を示す「冠詞」に、さらにまた「格」を表示する役割が割り当てられるのです。」
(福本義憲『はじめてのドイツ語』東京 : 講談社, 1991 (講談社現代新書 ; 1073), p.101)

1996年7月1日、ウィーンでドイツ語の正書法(書き方)についての国際会議があり、そこで新しいドイツ語の書き方が決められました。 新正書法は1998年8月1日より施行され、2005年までは経過措置として旧正書法と新正書法との併用が認められていましたが、それ以降は完全に新正書法に移行しました。 たとえば「〜ということ」という意味の接続詞 daß も、新しい規則では dass と綴られます。

ところで、文字 ß は、見かけ上はギリシア文字のベータの小文字 β に似ていますが、起源的には全くの別物です。 s(エス)とz(ツェット)の2文字を繋げて書いた合字で、エスツェットと呼ばれます。



一橋大学附属図書館 学術・企画主担当