日・EUフレンドシップウィーク企画展示
EUの公用語

エストニア語

「  現在のエストニアの領域では,長らくドイツ語が,今の言葉で言えば公用語の地位にあった。エストニア語がそれに替わったのは,1917年7月のことである。 ... 。
  エストニア語は系統的にはウラル語族のフィン・ウゴル語派バルト・フィン諸語に属している。 ... 。
  ロシア帝国下でも,この地域の支配者はドイツ人であった。19世紀初めの農奴解放を受けてようやく登場したエストニア人知識人たちは,それゆえ,コミュニケーション手段としてドイツ語を使用していた。エストニア語は,学問的な議論に耐えられる言語ではなかったのである。それだけではない。ドイツ語の習得はエストニア人にとって社会的上昇の手段でもあった。こうした言語や文化を通じた「大きな民族」への「小さな民族」の吸収は,19世紀から20世紀初めのヨーロッパでは例外ではなかった。」
(小森宏美「小国の言語戦略 : エストニアの言語事情」. 岡澤憲芙, 村井誠人(編著)『北欧世界のことばと文化』東京 : 成文堂, 2007.1 (世界のことばと文化シリーズ), p.227-246 より p.231)


一橋大学附属図書館 学術・企画主担当