一橋大学附属図書館企画展示
マーシャルとシュンペーターの遺産

   Biographical Summaries   


アルフレッド・マーシャル Alfred Marshall (1842.7.26-1924.7.13)
  

マーシャルは、1890年に主著『経済学原理』を公刊して当時の経済学界に大きな影響を与えた(「自然は飛躍せず(natura non facit saltum)」「部分均衡分析」「時間の要素」など)。また、スミス、リカード、ミルなどの古典派経済学の伝統を吸収する一方、クールノーやチューネンから数学的方法を学び、限界革命に沿った仕事を手がけた(需要と供給の均衡)。さらに、チャールズ・ダーウィンの進化論やハーバート・スペンサーの社会進化論から影響を受けたり、ヘーゲルの有機的社会観を学ぶためにドイツに渡ったりもした。

1842年    7月26日、ロンドン郊外のバーモンジイ(Bermondsey)で、銀行員の子として生まれる。
1865年    ケンブリッジ大学セント・ジョンズ・カレッジのフェローに採用される。 友人の薦めでミルを読んだ後、いくつかの都市の貧困街を訪れたとき、 ヴィクトリア朝の繁栄の陰に隠された貧困の実態を目の当たりにして経済学研究に一生を捧げることになる。
1877年    メアリー・ペイリー(Mary Paley)と結婚したが、フェローの独身規定のためその地位を失い、 ブリストルに新設のユニヴァーシティー・カレッジ学長に転職。
1879年    メアリーとの共著『産業経済学』 The economics of industry を著し経済学における確固たる地位を築く。
1883年    アーノルド・トインビーの後任としてオックスフォード大学ベリオル・カレッジに招聘。
1885年    ヘンリー・フォーセットの後任としてケンブリッジ大学経済学教授に呼び戻され、2月24日に就任講演「経済学の現状(The present position of economics)」 (その末尾で「冷静な頭脳をもって、しかし暖かい心情をもって(cool heads but warm hearts)」という表現を用いる)。
1890年    『経済学原理』 Principles of economics 刊行。
1908年    高弟ピグーに教授職を譲り、ケンブリッジ大学を退職。
1919年    『産業と商業』 Industry and trade 刊行。
1924年    7月13日死去(享年81歳)。

ヨーゼフ・アロイス・シュンペーター Joseph Alois Schumpeter (1883.2.8-1950.1.8)
1883年    2月8日 オーストリア=ハンガリー帝国、モラヴィア地方(チェコ東部)のトリーシュ(Triesch、チェコ語名チェスチュ Třešt')に織物工場主の子として生まれる。
1906年    2月、法学博士の学位を取得しウィーン大学法学部を卒業。秋、イギリスへ渡る。
1908年    『理論経済学の本質と主要内容』 Das Wesen und der Hauptinhalt der theoretischen Nationalökonomie 刊行。
1909-1911年    チェルノヴィッツ大学教授。
1911年    11月、グラーツ大学法学部教授に就任。
1912年    『経済発展の理論』 Theorie der wirtschaftlichen Entwicklung 刊行。
1919年    3月15日、オーストリア共和国の大蔵大臣に就任したが、10月17日辞職。
1921年    ビーダーマン銀行の頭取に就任。当初ビジネスは順調だったが、1924年倒産し巨額の負債を個人で負う。
1925年    ボン大学教授に就任。
1927-1928年, 1930年    ハーヴァード大学に客員教授として出講。
1931年    (47-48歳) 来日し東京商科大学、東京帝国大学、神戸商業大学ほかで講演。
1932年    9月、ボン大学の教授を辞任して渡米、ハーヴァード大学の教授に就任。
1939年    『景気循環論』 Business cycles 刊行。
1940-1941年    計量経済学会(Econometric Society)会長。
1942年    『資本主義・社会主義・民主主義』 Capitalism, socialism, and democracy 刊行。
1948年    アメリカ経済学会(American Economic Association)会長。
1950年    1月8日早朝、睡眠中に脳溢血で死亡(享年66歳)。
1954年    『経済分析の歴史』 History of economic analysis 刊行。

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