石 原 宗 助 文 庫 目 録


昭和十五年五月二七日 印刷     
昭和十五年五月三一日 發行 [非賈品]

編纂兼發行者 東京商科大學附属圖書館
          館長 吹 田 順 助

印刷者  東京市麹町區内幸町二ノ二〇
           黒 宮 慎 造

印刷所  東京市麹町區内幸町二ノ二〇
     株式會社 ニッポン・プレス



 故石原宗助氏は本學の前身東京高等商業學校を明治四十四年に卒業してから、昭和十二年十二月永眠されるまでその大部分を三井物産ロンドン支店に送った人である。同氏は稀に見る讀書家でその藏書の多きは在英同胞の間でも有名であっだが、圖らずもその藏書が石原文庫として本學に遺贈されることとなった。
 總册數五、五〇〇に近い石原文庫を見て先づ注意を惹かれるのは、教養ある英國家庭の藏書とは斯くもあらうかと思はれる點である。稀覯書の多きを誇らず、或る著者或る題目に關するものでさへあれば、悉く之を集め盡すといふのでもない。低きに流れず高きに失せず、正に良い意味での上品な藏書といふべきである。而もその種類は文學を主とするものの、その外に哲學あり、宗教あり、科學あり、經濟あり、極めて廣汎に渉ってゐる。上品と廣い趣味、これが教養ある家庭を思はせると言った所以でもあるが、叉石原氏自身の為人をも物語ってゐるやうに思ふ。
 次にこの文庫は書物を蒐集した時代を端的に反映してゐる。全體を見てもさうであるが、殊に總册數の五分の二を占める文學書について見ても、英文壇で一九二八年から翌年にかけて戰争文學の氾濫を見たが、その諸作品が一つ殘らずこの文庫に人ってゐる。叉英國論が數多く見られるのは日本人としての石原氏を思ヘば當然であらうけれども、これ叉戰後の流行の一つの現れと見る方が一層正しいであらう。
 此等の書物には、時に新刊批評を切抜いて挿入してあるかと思ふと、大部分の書物には石原氏自身の読書感が書き記されてゐる。故人の克明さに敬服すると共に利用者にとっても亦教へらるる處が少くあるまい。
 この文庫は現在商大豫科の圖書館に藏められてゐる。豫科の若き學生達の教養を高め趣味を涵養する上に、この文庫が大なる貢獻をなしてゐることは申すまでもない。
 最後にこの目録が出版の運びに至ったのは、全く石原氏の高商時代の級友四四會の諸氏の美しい友情の發露によるものである。附記して深謝の意を表したい。

  昭和十五年三月

東京商科大學附属圖書館長

吹 田 順 助


     Contents

A. General
B. Economies & Economic History
C. Public Finances
D. Business Economics
F. Finance & Banking
G. Transportation & Communication
H. Insurance
J. Industries & Economic Conditions
K. Sociology & Social Problems
M. Law
N. Politics
O. Philosophy & Religion
P. Literature, Philology & Fine Arts
  Pa. Complete Works
  Pb. Essays
  Pc. Fiction
  Pd. Poetry
  Pe. Drama
  Pf. Philology
  Pg. Fine Arts
Q. History & Biography
R. Geography
S. Science & Technology
X. Miscellaneous
Z. Private papers, &c.
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