鐘 No.21 (1989.10)





図書館長に就任して

外池 正治

  森田前図書館長の急な辞任のあとを引き継いで,自らの非力を省みる暇もないまま無我夢中で日々の仕事に取り組んでいるうちに,はや2箇月が経ってしまいました。 幸いにもこの間夏休みを迎え一息つくことができましたものの,3日後(8月25日に本学で開かれる「三大学(旧三商大)図書館協議会」及びその前日にもたれる「人文・社会科学系外国雑誌センター懇談会」の準備に現在忙殺されています。
  本誌の7-8頁に,本図書館が関係する多様な組織によって開催されている学外会議名が掲載されていますが,それによってだけでも,組織や地域の違いを越えて,各図書館が共通して直面する諸問題に関する情報交換や協議が,頻繋に行われていることを見て頂けるものと思います。 このうち弘前で開かれた「国立大学図書館協議会総会」には,就任直後に出席の機会を得ましたが,2日間にわたる密度の濃い討義結果は,「学術情報システムの整備に関する要望書」としてまとめられ,7月末に文部省に提出されています。 この要望書の標題からも,またその内容が「学術図書・雑誌等購入費の増額」「コンピュータ,高速ファクシミリ及び関連装備の整備促進」「図書館施設の整備拡充」という三つの柱から成っていることからも,国立大学図書館が共通に抱えている問題をある程度推察して頂けると考えます。 なお,この総会で結論論を得るに至りませんでしたが,中国四国地区の図書館から提出された「図書資料の集中管理」の必要という問題提起は,最近における学際的総合的研究への方向と各学郎への図書資料の分散という現状との乗離をふまえたものであっただけに,中央図書館制を伝統的に維持しつつも,集中管理に伴う諸問題に取り組んでいる本学図書館のあり方との関係で,強く印象づけられたものの一つでした。
  さてこれらの問題は,例えばこの協議会においては,それぞれの具体的内容に応じて特別委員会や調査研究班を設けてきめ細かな検討が行われており,本学図書館もその重要メンバーとして活躍していることが多いのですが,より自由な立場で,基本問題から現場における問題までを採り上げて,多くの職員にも参加してもらって率直な意見交換を行おうというのが,先に述べた「三大学協議会」のねらいです。 旧三商大を基盤とする多年にわたる各レベルでの交流を,図書館間でも活かそうというわけです。 そのメイン・テーマの一つは,ここ何年か続けて採り上げられている電算化問題を一層具体化した,新しい情報媒体への対応の問題です。 自然科学系学部を有する他の二大学図書館との忌憚のない意見交換によって,今後の図書館委員会の審議に資する情報が得られればと考えています。
  この会議に先立って行われる「人文・社会科学系外国雑誌センター懇談会」においては,本学図書館が当番館として実施した,全図国立大学図書館への「外国雑誌センター館収集雑誌に関する希望調査」の照会結果のうち,人文・社会科学系雑誌にかかわる調整作業と同時に,自然科学系センター館と対比しての運営上の特色と問題点について意見交換を行うことになっています。 各エリアにまたがる図書館長や分館長が参加しますので,学問論を土台とした広い立場からの雑誌収集と利用のあり方が,職員の緻密な作業の結晶たる資料に基づいて論じられるものと期待しています。
  以上長々と本学図書館がかかわっている学外会議の一端を,最近のいくつかの例によって紹介してきましたのは,そのことを通じて,本学図書館が決しで伝統にあぐらをかいているわけではなく,新しい時代変化にいかに主体的に取り組もうとしているかを示したかったからにほかなりません。 本誌は丁度10年前の7月に第1号を発刊していますが,本号に至るまでの各号にはその努力の跡がはっきりと刻まれています。
  そのうち私の前任者である森田前図書館長についてだけ採り上げさせて頂きますと,本誌18号の就任の辞において,長期構想委員会答申で指摘されている問題をふまえつつ,早急な対応を迫られている問題として,図書館の建物の問題と電算化の問題とを挙げておられます。 この二つの問題は,そこで指摘されていますように密接に関係してくる問題であると同時に,本学全体のキャンパス利用のあり方や学術情報システムのあり方,さらには研究・教育体制のあり方と基本的に関連してくる問題であることはいうまでもありません。
  前図書館長に至る最近における歴代の館長のご苦労は,これらの基本問題をにらみつつ,学内及び館内のコンセンサスを一歩ずつ積み上げながら,現実の問題に対応して行くことにあったと思われます。 その労力の過程の中で館内においては,具体的問題を現場の立場から検討するいくつかのワーキング・グループが形成されていて,例えば電算化問願については,詳細な検討の積み重ねの成果である「業務電算化委員会」の第2次報告書までが公表されていますかが(本誌6頁,及び20号13頁参照)。 すでに第3次報告書へ向けての検討が精力的に開始されています。 また建物の問題についてはまだ公表の段階に至りませんが,「建築委員会」による40数回にわたる検討が行われていることも,付け加えておきます。 これらの作業が,長期構想委員会答申が現状での問題として最初に指摘した「本学の図書館職員数は過度に不足している」という状況下で,館内のコンセンサスを得るために,日常業務に追われながら,職員の献身的努力によって行われてきているという事実の重みは,いくら強調しても強調し過ぎることはありません。 これらの成果を,本年4月に学長あてに提出された情報処理センター長による答申と,キャンパス利用懇談会の討議結果等の全学的検討の中でどう反映して行くかが当面の私に与えられた重要な責務であると考えています。
  最初に述べましたように,自らの非力を省みる余裕もなく,緊急事態ということでこの仕事をお引き受けしたものの,責任の重さに押しつぶされそうな今日この頃です。 健康の許す限り微力を尽くしますので,皆様のご指導とご協力を心からお願いする次第です。 (1989.8.22)

(といけ まさはる 経済学部学教授)



創立百年記念募金購入図書(第二部門)紹介 (1)

「中国方志叢書」について

三谷 孝

  「方志」の「方」とは地方のことであり,「志」は「誌」すなわち記載あるいは記述という意味を表している。 したがって,「方志」とは,地方志の略称であり,「地球表面上のある特定の一区域を対象として,その地方の状況(自然環境,社会現象および建置沿革等)と資料を記述した書籍」(林衍経「方志学綜論」1988年)を総称したものである。 復旦大学の譚其驤教授によれば,地方志は,ある地方社会の過去の出来事を主ととして叙述する地方史の内容をも包括しながら,その地方の自然と社会の現状に重点を置いて叙述されたものだという。 この地方志の源泉を遡ると,「周礼」にまでいきつくといわれるが,現損する最古の例としては,春秋時代の呉越両国の興亡とともにその地理をも記した「越絶書」(紀元1世紀)があげられている。 しかし,地方志の編纂が盛大に行われるようになるのは,明清時代以降のことであり,中国大陸に現存する8500余種の地方志のうちの5000余種は清代に作られたものだという。 「治世」の必要からの地方志編纂の伝統は,中華人民共和国にも受け継がれており,地方志編纂事業すなわち「修志工作」は,共産党政府によっても重視され,1950年代後半に「社会主義の新地方志編纂の高まり」があって「初歩的な成績」をあげたと評価されている。 この「工作」は,「文革」による中断を経た後の現在も「社会主義の物質文明と精神文明の建設の必要に応じて」一層活発に継承されており,1983年には全国の18省1094県に「修志機関」が成立し,1986年時点において全国で「修志工作」に従事している専門家は1万人以上,兼職でこれに参加している者を含めると10万人以上にのぼるという。 また,そめための人材養成を目的として,南開大学・安徽大学などの歴史学部には「方志学」の課程が設けられているそうである。
  このように,地方志の系譜は,「史記」から「明史」に至る二十四史,更には現在その編纂が着々と進められつつある「中華明国史」に連なる王朝・中央政府を軸として記述された正史と並行して,”中国史”の二大潮流を形成して現代に至っている。
  現代中国を代表する歴史学者の顧頡剛は,地方志に盛られている内容を,[1]地理(沿革,彊城,面積,分野),[2]政治(建置,職官,兵備,大事記),[3]経済(戸口,田賦,物産,関税),[4]社会(風俗,方言,寺観,祥異),[5]文献(人物,芸文,金石,古跡) の5綱目に分類している。 また,康煕29年(1690年)に河南巡撫が頒布した「修志」の基準にあげられている綱目には,総図,沿革,天文,四至,建置,河防,郷村,集鎮,公署,橋梁,倉庫,社学,街巷,坊第,山川,古跡,風俗,土産,陵墓,寺観,賦税,職官,人物,流寓,孝義,烈女,隠逸,方技,芸文,災祥,雑志等がある。 もちろん,地方志の内容は,その土地により,また編纂の時期や編纂者の意図によって微妙に異なるために,簡単に概括することには困難がともなうが,上記のような綱目は,そのほとんどが網羅しているといえよう。 たとえば,[1]の地理では,その県の名称の由来おび領域の変遷と現状,城鎮や村の所在,文通のあり様等が,[5]の政治では,県政府の制度,各官員の職積,地方民兵組織の編成,県知事の系譜,県をめぐる地方のクロニクル等が記されているが,地方志は,このような公的制度的な事実関係を明らかにする資料として有益であるに止まらず,社会史・民衆史的な視野から地方の実状を考察しようとする際にも,貴重な資料を提供する素材として活用することができる。 たとえば,「大事記」を参照することで,その地方に起こった民衆反乱の簡単な経緯を知ることができるが,[3]の経済や[4]の社会の記事や人物伝・雑記などを丹念に読むことによって,反乱の原因,組織,行動形態,指導者,その影響と結末等についてもうかがい知ることが可能となる。 また,「風俗」の綱目に関連して一例をあげれば,河北省「滄県志」(1933年)巻十二の「事実志,礼楽,娯楽」の部分には,同地の民衆の娯楽として「秧歌,竹馬,獅戯,走馬灯,闘蟀,幻術,傀儡戯,手影」以下38種類におよぶ「娯楽」の内容が具体的に示されている。 このように,地力志は,中国の歴史,社会,政治,経済,文化,科学等多方面にわたる研究に無尽蔵にも近い基礎資料を提供する需要な宝庫ということができる。
  ここで取り上げる「中国方志叢書」は,台湾に所蔵されている地方志のすべてをリプリントして出版するという壮大な計画に基づくものであり,現状では最大規模の地方志シリーズといえる。 「叢書」は,1970年に台北の成文出版社より刊行が開始されて以来20年を費やして現在第三期分の途中まで配本されている。 すなわち,第一期分は河北省の101種類192冊等28省にわたる723種類1212冊,第二期分は浙江省の45種類231冊等27省にわたる239種類1916冊,そして,第三期分は台湾省の1110冊を中心に917種類3226冊,合計2279種類6354冊が,現在までに復刊刊行されている。 本学図書館には,そのうち第一・第二期分全部と第三期の第一・第二部分まで,合計2049種類5339冊が購入されて,閲覧可能の収態にある。 このシリーズが刊行される以前,日本国内の地方志は,駒込の東洋文庫や東大東洋文化研究所・京大人文科学研究所図書館等に分散して所蔵されており,利用者は研究以前の”通勤”あるいは”旅行”と”筆記”に多大の時間と労力を支払うことを余儀なくされていた。 私も,卒業論文作成のために東洋文庫に通っていた際に,まる一日かけて県志のページをめくったあげくに,何ひとつ収穫がなく,駒込駅までとぼとぼ歩いて帰った時の徒労感を,今となっては懐かしく思い出す。 中国社会経済史研究にひとつの”消エネ効果”をもたらした本「叢書」の目録は,図書館5階の「叢書」第一期分の先端に置かれている。 宝の持腐れとならないよう,一層の活用が望まれる。

(みたに たかし 社会学部教授)


創立百年記念募金購入図書(第二部門)紹介 (2)

諷刺雑誌「ジンプリツィシムス」のこと

田辺 秀樹

  大学図書館所蔵の外国雑誌といえば,たいていはむずかしい専門的な学術雑誌で,門外漢はお呼びじゃないというのが多い。 しかし,中にはそうではないものもけっこうある。 一橋大学古平分館に収蔵されているドイツ世紀転換期のいくつかの芸術雑誌などは,だれでも楽しめるオモシロ雑誌の代表格といっていいだろう。
  前世紀末から今世紀初頭にかけての世紀転換期は,ドイツ・オーストリアの文化が未曽有の活況を呈した時代で,さまざまの意欲的な雑誌の創刊が相次いだ。 それらの中には純然たる文芸雑誌も少なくなかったが,当時とりわけ生彩を放ったのは,ビジュアルな要素をふんだんに取り入れた豪華な総合的芸術雑誌である。 「パーン(牧神)」,「ユーゲント(青春)」,「ヴェル・サクルム(聖なる春)」,「ジンプリツィシムス」といった雑誌がその代表的なもので,それらのうち「パーン」と「ユーゲント」は,小平分館に全巻がそろっている。 異色のグラフ週刊誌として有名な「ジンプリツィシムス」は,残念ながら全巻揃いとはいかないが,多くの号が集められており,たいへん面白いものなので,これについて少しばかり紹介させでいただくことにしよう。
  絵入り週刊誌「ジンプリツィシムス」は,1896年4月,ミュンヘンで創刊された。 出版者はアルベルト・ランゲン。 ランゲンは親が残した多額の遺産で世紀末のパリに遊び,当初は作家をめざしたが,やがて自分が書くより友人たちに書かせる側にまわり,アルベルト・ランゲン出版社を創立,業績好調の波にのって新趣向の雑誌の刊行に乗り出したのだった。 タイトルの「ジンプリツィシムス」は,17世紀の作家グリンメルスハウゼンが書いた悪漢小説「ジンプリツィシムスの冒険」(邦訳題名は「阿呆物語」)の主人公の名にちなむもので,さしずめ「馬鹿之助」といったところである。 ランゲンとしては,フランスの「ジル・ブラス・イリュストレ」,あるいは英国の「パンチ」といった有名な雑誌に匹敵するものを狙ったのだろう。
  創刊号の巻頭には,「ジンプリツイシムスは語る」と題された創刊の辞が,韻文で記されている。 偏狭なドイツ的小市民性を糾弾し,自由と笑いの精神を讃えるこの詩の作者は,戯曲「春のめざめ」で有名なヴェーデキントである。 それに続く短編小説「侯爵令嬢ルサルカ」も同じくヴェーデキントの作ということで,このドイツ世紀末の最も,スキャンダラスな作家と「ジンプリ」との,当初からの密接な結びつきがうかがわれる。 この創刊号の内容からも明らかなように,「ジンブリ」は,初めのうちはむしろ文芸雑誌としての性格が強く,イラストはどちらかといえば従属的なものだった。 しかしやがて号を重ねるごとに,比重はテキストからイラストヘと移り,政治漫画やカリカチュアの辛辣な諷刺で勝負するようになる。 そしてそれにつれて,「ジンプリ」は発行部数をぐんぐん伸ばしていったのだった。
  「ジンプリ」に寄稿した人々としては,作家ではヴェーデキントのほかに卜一マス・マン,R. デーメル,O. J. ビアバウム,K. ハムズン,C. ファルケ,L. トーマなど,画家ではトーマス・テオドール・ハイネをはじめとして M. スレフォーグト,W. シュルツ,A. ヤンクなどの名が挙げられる。 初期において特にめざましい活躍をしたのは,ヴェーデキントとハイネの二人で,「ジンプリ」の基本的な路線はこの名コンビによって打ち出されたといってもいい。 世紀転換期,つまりウィルへルム皇帝時代のドイツのさまざまな世相や風潮が,かれらの諷刺の槍玉に上げられた。 国威の高揚,膨張主義的な外交政策,成金たちの生態,良風美俗の道徳思想,権威崇拝,公安当局の過敏な動向,さらにはバイエルン人の郷土愛,文学や芸術の流行といった題材が,辛辣かつユーモラスな言葉と絵によっておもしろおかしく料理され,毎週,読者に供されたのである。
  「ジンプリ」は,そのハイ・センスな風刺によって多数の読者を獲得した。 まさに攻撃されているはずの当の人々さえ,このグラフ週刊誌をこっそり買い求め,ドキドキしたり,苦笑いしたり,腹を立てたりしながら,人一倍熱心に読んだという。 しかし,「ジンプリ」の[道化の自由]も,けっして無制限というわけにはいかなかった。 1898年,ヴェーデキントとハイネのコンビが,皇帝ウィルヘルム2世のパレスチナ訪問旅行を定刻主義外交の一大パレードとして痛烈に揶揄したとき,越えてはならない一線が越えられた。 雑誌は没収され,二人は皇帝侮辱罪で6カ月の禁固刑を喰らい,ランゲンはパリヘの逃亡を余儀なくされる。 しかし,「ジンプリ」はこうした発禁事件をも恰好のネタにするなどしてますます人気を集め,気骨あるしたたかな風刺雑誌としての評判を不動のもめにしていった。
  世紀転換期に創刊された雑誌の多くが短命に終わったなかで,「ジンプリ」は,1909年にランゲンが死んだ後も後継者たちによって刊行が続けられ,例外的に長命を保つことになったが,その黄金期は,やはり第一次世界大戦以前のウィルへルム皇帝時代だったということができるだろう。 1914年の戦争勃発がドイツにもたらした熱狂的ナショナリズムは,この皮肉な風刺雑誌をさえ,愛国的かつ好戦的な内容に路線変更させずにはおかなかった。 両大戦間のワイマール共和国時代においては,複雑な政治情勢,経済の不安定,文化郁市としてのミュンヘンの地位低下,競争相手の増加といった困難な状況のもとで,「ジンプリ」はもはや以前のような生彩を放つことはできなかった。 そして1933年のナチ政権成立以後も存続の道を選択した「ジンプリ」はゲッベルスが承認する攻撃の対象に愚劣な揶揄を浴びせるだけの「諷刺雑誌」になり下がり,ついには,[第三帝国]の崩壊が間近にせまった1944年9月,最終号の刊行をもって半世紀にも及ぶその歴史を閉じたのだった(なお,戦後1954年に別の出版社が新たに「ジンプリ」を復刊し,これは67年まで続いた)。
  小平分館の「ジンプリツィシムス」は,一橋大学百年募金によって購入されたもので,先にも言った通り全巻が揃っているわけではない。 第一次大戦中(1915-18)と1927年から44年までの分が欠けている(第二次大戦後の復刊分にも欠本がある)のはまことに残念だが,創刊から1914年までの黄金期については欠落はない。 歴史研究のための資料としての「ジンプリ」の価値はいうまでもないが,いまわれわれがつれづれにあちこちページをめくってみても,この笑いと風刺のグラフ雑誌はすこぶる面白く,大いに楽しめる。 多くの方々に,ぜひ一度小平分巻の「ジンプリツイシムス」をのぞいてみていただきたく思う次第である。

(たなべ ひでき 法学部助教授)



「西川孝治郎文庫目録」刊行

  昭和57年5月,西川孝治郎先生より,明治期簿記書のコレクションが本学附属図書館に寄贈された。 このコレクションの目録が,上記のタイトルで,このたび刊行された。 収録冊数419冊,書名のアルファベット順に配列されており,著者名索引を含めて39頁である。 この目録は9月中に学内および関係の図書館等に送付される予定である。 なお,このコレクションは本館第二書庫4階のガラス戸付書架に配架されている。



小平分館ブック・ディテクション・システムの導入について

  小平分館では,このたびブック・ディテクション・システムを導入しました。
  ブック・ディテクション・システムを導入することにより,従来,図書館内への持込が制限されていたカバン・袋類等の所持品を持ったまま入館できるようになります。 また,借用中の図書を持ち込むときも逐一,カウンターへ申し出て“しおり”を携行する必要がなくなる等,利用者にとって大変便利になります。
  ブック・ディテクション・システムは,手続きを忘れて図書や雑誌を館外へ持ち出すことを防ごうとするものですので,所定の借り出し手続きを忘れずにして頂きたいと思います。 うっかり手続きをしないで図書館資料を持ち出すと,出口のところでブザーが鳴りますのでご注意下さい。
  なお,出入口は一方通行ですので守って下さい。また,ロッカーを使いたい方は従来通りご利用下さい。

(写真左下)



ドイツマルク紙幣の寄贈受入について

  「天文学的インフレ期のドイツ紙幣所見」(本誌19号)で菅順一先生が紹介されている故井藤半彌先生旧蔵のマルク紙幣一式が図書館に寄贈されました。 --1989.6--

(写真右上)



公私立大学へのお知らせ

-- 文献複写料金徴収猶予 --

  国立大学附属図書館が公私立大学等の図書館から文献複写を受託した場合,従来は料金前払い制でしたが,このたび文部省の通知により後払いを行うことができるよう「料金の徴収猶予」の制度が認められました。 一橋大学においても平成元年9月1日より実施しています。 これにより必要な資料を早くお手許に届けることが可能となります。 詳しくは書誌係(内線520)へ。



「オンライン目録情報サービスを目指して」

附属図書館業務電算化委員会

  附属図書館の職員で構成される業務電算化委員会は先に第1次報告書を出しましたが(本誌20号参照),今年3月に第2次報告「オンライン目録情報サービス)に必要な機能を中心にまとめました。 今回の報告では図書館電算化システムの中心となるOPAC(オンライン目録情報サービス)に必要な機能を中心にまとめました。 少なくとも現在行っているサービスが低下することなく,さらに一層の目録サービスが行える方途を探っています。 第1次報告書とともに第2次報告書も残部がございますので,関心をお持ちの方は,お申し出下さい。




◆社会科学系外国雑誌センターだより -- 新着雑誌ブラウジング --

City & society. -- Washington, D.C. : Amer. Anthropol, Assoc. v.2 (1988)+
米国人類学会の都市人類学研究会が発行し,都市コミュニティや複雑化する社会を扱う都市人類学および関連領域の基礎的,また応用論文を載せる。
Cemicak justice journal. -- San Diego : Western State Univ. v.1 (1982/83)+
カリフォルニア州立ウエスタン大学の刑事司法雑誌でタイムリーな論文,短信,書評を載せる。
Ecological economics. -- Amsterdam : Elsevier. v.1 (1989)+
ISEE : International Society for Ecological Economics. の機関誌で,生態学,経済学2分野の国際的学際誌。
Japan and the World economy. -- Amsterdam : Elsevier. v.1 (1988/1989)+
日本の国際貿易,金融取引におけるシェアの増大は世界経済,特に米国の経済に大きな影響を与えたが,その結果,日本とその貿易相手国との経済関係はさまざまの問題を投げかけている。 本誌はこれらに関連の経済学,財政学,経営学の研究を収録。
Journal of aging & social policy. -- New York : Haworth Press. v.1 (1989)+
急速に変化を遂げながら高齢化に向かう現代社会の差し迫った問題を解く考え方や討論を生み出すことを目的とし,これらの問題の政策立案や推進に携わる専門家を対象とした季刊誌。
Journal of organizational change management. -- Braford : MBC Univ. Pr. v.1 (1988)+
本誌は学術研究と実務のギャップを埋める役割をもち,新しい研究成果を実務担当者に解説する学際的,国際誌。
L.S.E.Quarterly. -- Oxford : Basil Blackwell. v.1 (1987)+
The London School of Economics の現職およびかつて在職していた研究者による幅広い分野の読者を対象とした社会科学の総合誌。
Mind & language. -- Oxford : Basil Blackwell. v.4 (1989)+
精神と言語をとりまくひとつの,しかし込み入った問題について研究している言語学,哲学,心理学およびA1等さまざまな分野にわたる研究者の論文を中心に,レビュー,フォーラム,短信等を載せる。
Psychology and aging. -- Arlington, VA: Amer. Psychol. Assoc. v.1 (1986)+
米国心理学協会発行で成人の発達と老化に関する原著論文を中心とした専門誌。
Yale law & policy review. -- New Haven, CT : Yale Law School. v.1(1982/83)+
今日の政策及び法律問題を多方面から学際的に取り挙げた記事を中心にカレントな問題を扱う。


◆社会科学古典センターから

  本年6月13日(火)・14日(水) ,小平分校において前期学務委員会主催の「フランス革命200周年記念講演会」が開催された。 諏訪功分校主事の挨拶と上原行雄教授(法学部)の「総論」に続き,遅塚忠躬教授(東京大学文学部) の「フランス革命研究の現状」,古賀英三郎教授(社会学部)の「フランス革命とバブーフ」,杉原泰雄教授(法学部)の「フランス革命と人権」,津田内匠教授(経済研究所)の「フランス革命と経済学」と斯界の第一人者による連続講演がもたれた。
  社会科学古典資料センターでは,この機会に初めての試みとして,それぞれの講演に関連した文献33点,またフランクリン文庫に含まれる革命期の布告やパスポート等の原史料22点を会場の1101教室内に特別展示した。 こうした企画を通じて一人でも多くの学生諸兄・諸姉が古典資料の世界に親しみをもたれることを望みたい。


◆会議

〈学内〉

図書館委員会 平成元年度第1回〜第2回 (元.5〜7)
昭和63年度専門図書費決算報告について
平成元年度図書資料(大型コレクション)収書計画(案)について
平成2年度概算要求について
その他
小平分館図書委員会 平成元年度第1回 (元.7)
昭和63年度決算について
平成2年度新規購入洋雑誌の選定
その他
社会科学系外国雑誌センター運営委員会 平成元年度第1回〜第2回 (元.5〜7)
平成2年度概算要求について
平成2年度新規購入外国雑誌の選定依頼について
その他
社会科学古典資料センター運営委員会 第32回 (元.4)
昭和63年度事業報告
その他
創立百年記念募金図書購入委員会 (元.5)
一橋大学創立百年記念募金図書購入費収支状況について
一橋大学創立百年記念募金購入図書の整理状況について
社会科学古典資料センター人事委員会 平成元年度第1回〜第2回 (元.7〜9)
新任人事について
その他

〈学外〉

平成元年度国立大学図書館協議会東京地区協議会総会
4月21日 於:東京医科歯科大学
平成元年度国立大学附属図書館事務部課長会議
5月29日 於:東京医科歯科大学
第36回国立大学図書館協議会総会
6月29,30日 於:弘前文化センター
社会科学系外国雑誌センター館(一橋大学)・サブセンター館(神戸大学)打合せ会
8月24日 於:一橋大学
平成元年度三大学図書館協議会
8月25日 於:一橋大学 (当番館:一橋大学)
「外国出版物購入価格問題調査研究班」委員会
第11回 (元.5) 於:一橋大学
国立大学図書館協議会理事会
第1回 (元.6) 於:弘前文化センター
国立大学図書館協議会・文献複写に係る著作権問題特別委員会
(元.5〜7) 於:東京大学
東京西地区大学図書館相互協力連絡会
平成元年度第1回加盟館会議 (元.7) 於:拓殖大学,
平成元年度第1回実務担当者会議 (元.5) 於:武蔵野美術大学,
外国新聞分担保存のワーキンググループ 第10回 (元.5) 於:一橋大学,
幹事館および実務担当者会議運営委員館の合同会議 (元.4) 於:中央大学


◆各種委員異動

図書館委員会
平成元年4月1日付 岡本清(商),池享(経済),森村進(法),田中克彦(社会),古賀英三郎(併・古典資料センター)
平成元年6月16日付 外池正治(附属図書館長)8月1日付 松永正義(経済),真島秀行(法)
創立百年記念募金図書購入委員会
平成元年4月1日付 岡本清(商),池享(経済),森村進(法),田中克彦(社会),古賀英三郎(併・古典資料センター)
平成元年6月16日付 外池正治(附属図書館長)
平成元年8月1日付 松永正義(経済),真島秀行(法) 9月14日付 清川雪彦(研究所)
社会科学系外国雑誌センター運営委員会
平成元年4月1日付 岡本清(商),池享(経済),久保欣哉(法),森村進(法),中村喜和(社会),田中克彦(社会),古賀英三郎(併・古典資料センター),富沢賢治(研究所)
平成元年6月16日付 外池正治(附属図書館長)
社会科学古典資料センター運営委員会
平成元年4月1日付 岡村清(商),古賀英三郎(併・古典資料センター)
平成元年6月16日付 外池正治(附属図書館長)
社会科学古典資料センター人事委員会
平成元年4月1日付 小野旭(経済学部長),藤岡貞彦(社会学部長),古賀英三郎(併・古典資料センター)
平成元年6月16日付 外池正治(附属図書館長)
小平分館図書委員会
平成元年8月1日付 小倉敏博(商),松永正義(経済),川口智久(社会),山部俊文(法),一條和生(社会)


◆人事異動

(新) 平成元年4月1日付 事務部長 前川 英夫 配置換 (山口大学附属図書館事務部長)
6月5日付 情報サービス課閲覧係 山本 浩也 採用
6月16日付 附属図書館長 外池 正治 併任 (経済学部教授)
社会科学古典資料センター長 外池 正治 併任 (経済学部教授)
7月11日付 情報サービス課閲覧係 江良 邦子 採用
8月1日付 情報管理課和書係 植戸 京子 採用
小平分館 加藤 久子 採用
(旧) 平成元年3月31日付 事務部長 上島 順一郎 辞職
情報サービス課閲覧係 井手 克美 辞職
6月16日付 附属図書館長 森田 哲彌 併任を解除 (商学部教授)
社会科学古典資料センター長 森田 哲彌 併任を解除 (商学部教授)
6月30日付 情報管理課和書係 福本 邦子 辞職
7月21日付 小平分館 土橋 玲子 辞職




記事索引

No.1(1979.7)-20(1989.4)




一橋大学附属図書館報 “鐘” No.21
1989年9月30日 発行
発 行 人
前川英夫
編集委員
森茜・大橋渉・松尾恵子・田村悦子・本間紀美子・川森静子・鎌田陽子・薄田恭子・金沢幾子・飯島朋子
発 行 所
一橋大学附属図書館