鐘 No.17 (1986.11)





出版界事情からみた現代中国

山本 武利

  中国と日本のマスコミ研究者に,相互の交流がほとんどなかったことは,双方にとってマイナスであった。 体制や国情が違っているにしても,類似したコミュニケーション手段を使ってきた同一文化圏のマスコミ研究者,コミュニケーション研究者の交流は,他の学問分野のそれよりも実り多い成果を生むはずである。 とくに日本の研究者の欧米志向が強すぎたことを反省しなければならない。
  この夏,約半月,中国訪問のはじめての機会を得た。 現在,私が副会長である日本出版学会では,中国の出版研究者と出版研究のシンポジウムを行なうため4名の代表団を中国に派遣した。 北京,上海などで数多くの出版研究者や新聞研究者と交流できたことを喜んでいる。
  かけ足の訪問であり,私の中国語の学力がお粗末なため,今回の訪問の成果は十分なものとはいえなかった。 しかしこれを機に,私も他のメンバーも中国の出版研究への関心を集め,研究者と研究情報の相互交換を密にするとの約束をかわして帰国した。
  新聞,テレビなどで報じられているように,中国は従来の社会主義の枠をはみ出す方向につき進んでいる。 ちょうど訪問中,テレビが「おしん」を放映していた。 たまたまチャンネルをまわして出くわした場面は,おしんの長男の結婚騒動であった。 数年前,NHKで見たときの記憶と変りなかったので,ノー・カットだったと思う。 声が吹きかえられて,中国語の声が出ただけの違いであった。 この番組はたいへんな視聴率を得ているらしい。 きわめて幅広い中国人に人気があることは,研究者も通訳もタクシー運転手も口をそろえて面白いといっていたことからもわかる。 第二次大戦の描写で「侵略」的側面が弱いのは日本の教科書と共通しているとの批判が中国の内部であったらしい。 しかし私が接した人からは称讃のみが耳に入った。
  なぜ中国に「おしん」が人気があるのか。 日本の戦前のきびしい地主,小作関係の描写は,解放前の中国のそれを活写したものと思われたからであろう。 家族の戦死など戦争が庶民に与える悲劇は,どの国でも共通するからであろう。 さらに人気を持続しているのは,女手一つで小商人となり,商店経営者となり,ついにはスーパー経営者となる主人公の姿を通じて描かれた戦後復興と経済成長を担う日本人と日本は,現在の中国の人びとの自分自身と中国のあるべき姿,近い将来,到来すると期待される人間像,国家像を示しているからかもしれない。
  代表団は4名だったので,われわれは「4人組」を称したあいさつをした。 すると多くの人はどっと笑った。 それをユーモアと解した余裕をもった笑いであった。 4人組打倒直後の10年前だったら,ユーモアとは受けとられなかったろう。 またわれわれだって,とげとげしい雰囲気のなかで「4人組」とはいえなかったろう。 そして,4人組時代なら,「おしん」とくにその戦後の部分は資本主義を賛美し,中国での資本主義の復活を奨励するものとして排撃されていただろう。
  「おしん」放映とその人気は,この夏の中国を象徴していた。 今の中国には1956年の「百花斉放,百家争鳴」を彷彿させるほどに言論の自由化がかなり進んでいるというマスコミ情報を訪問前にもってはいたものの,出版編集者や研究者にはマルクス,レーニン,毛沢東主義のこちこちの公式主義者が多いだろうと予測していた。 あにはからん,われわれが述べる言論の自由論を資本主義的と反駁するどころか,それへの強い関心,共感を示す人が少なくなかったので,いささか拍子抜けだった。
  中国の出版活動は,今も党や政府からいろいろと統制されている。 日本でのもっとも効率のよい活字メディア統制は戦時中も占領期も,用紙供給を統制することであった。 共産党支配下の中国では国が出版社にたいし統制してきたので,国の許可を受けずに出版社を設立し,許可を得ない出版物を刊行することは事実上できなかった。 ところが市場の自由化,経営の効率化の声が出版界で高まってくると,国から配給されて余った用紙を闇に横流しする出版社もあらわれてきたらしい。 その紙を秘かに購入し,秘密出版活動を行なうもぐりの出版社が出現し,既存の出版界の秩序や利益に挑戦しているらしい。
  国家出版局の目を盗む勢力はまだゲリラ段階で,出版界の勢力図を変えるほどの力はもっていないだろう。 中国の出版関係者は,「健康的でない雑誌」つまりエロ雑誌に秘密出版が多く,秘密の販売ルートで多数の読者を獲得して困るとマユをひそめていた。 けれどもエロ出版物ばかりでなく,4人組礼賛,都小平体制攻撃の出版物も秘密の地下出版社からけっこう出廻っているというのは,私の見当違いであろうか。 4人組追放後,出版活動は活発になったという。 出版社数も,点数も増加した。 従来は読者の趣味やニーズを考えずに出版していたらしい。 党の方針,国の施策を忠実に反映させ,それに貢献することが,出版活動の使命と見なされていた。 ところが最近は,他の産業と同様に,市場原理に基いた活動を行うようになってきた。 国は今までは,本や雑誌が売れなくても,損失分を捕ってくれていたらしい。 ところが現在は独立採算が原則となってきた。 だから売らなくてはならない。 とくに若者に喜ばれる出版活動を念頭においた出版社が増えているとの話であった。
  株式市場の誕生,倒産企業の出現といったように社会主義か資本主義か判別つきかねる情報が中国から相ついで伝わってくる昨今だ。 しかし日本の出版界では珍しくない倒産や経営危機の話は,中国訪問中には耳に入らなかった。 だが出版社の幹部は社員の数が多すぎることをふともらしていた。 たとえば上海の出版社の従業員は平均200人で,編集関係者はその半分を数える。 日本の出版社では10名以下の所が全体の4割を超えている。 中国では無能でも首はきれない。 また従業員自らの意志での転職もままならないと聞く。 だから市場原理の導入による売り上げ増加は,倒産と従業員の失業の回避のために,各出版社幹部の至上命令となっている。
  中国の映画人口は年間200億人に達し,1人あたりの観覧回数も日本の20倍に近い。 映画が大衆娯楽の中心である中国でも,やはりテレビの影響は大さく,観客動員数は最近減り続けている。 大衆映画雑誌は若者の活字ばなれとテレビ傾斜のために部数は激減している。 たしかに「おしん」人気は,家電製品のなかで突出した普及率を見せるテレビ受信機に支えられている。
  日本のテレビは,洗濯機,冷蔵庫などが短縮させた主婦の家事労働時聞を吸収する形で成長した。 ところが中国では,専業主婦はまず見られない。 たまたま手にした「北京週報」86年5月20日号には,ある主婦の話がでていた。
  中年層,とくに女性のひまと娯楽の時間は最も少ない。 事務室あるいは工場での一日の仕事,そして重い家事労働で,たくさんの時間が費やされてしまう。 周碧玲さんは,「通勤バスでは押されてくたくたになり,家に帰ってからも買物,食事の支度,あとかたづけなどでとても疲れます。 横になって休みたいと思うだけで,娯楽などそんな気力もありません。 たまに雑誌を読み,テレビでおもしろい番組があれば少し見るぐらいです」と語った。 北京市民の大部分は家でひまつぶしをする。
  「三食昼寝,テレビつき」という主婦は最近,日本でも減っているが,もともと解放後の中国にはいない。 テレビでも長い接触時間を獲得するのは困難である.むつかしい本が家庭で読まれないのは,「うさぎ小屋」にも劣る悪い住宅事情からもうなずけよう。 ましてやロングセラーを続け各社を潤してきた毛沢東関係書が職場でも読まれなくなっている昨今だ。 日本ほどの出版不況はないにしろ,出版物に大衆をひきつけ,利益をあげ,従業員に職場を与えることは容易ではなかろう。
  利益追求を考える中国の出版界が直面せざるをえないのは,やはり「出版の自由」の問題であろう。 「自由」の必要性に賛意を表していた出版社幹部も,社会主義の範囲内の出版しか許されていないと語っていた。 そして公然と社会主義を批判する本は出版できないとのことだ。 4人組賛美の本が出版を許されるかどうかは聞きそびれてしまった。 ともかく,さまざまめイデオロギーや価値観をあらわす多様な出版物を出さないかぎり,出版市場は広がらないことはたしかである。 「社会主義への奉仕」と「利益」の原則とが共存し,調和するのはむつかしかろう。
  もうひとつ中国がかかえる問題は,販売ルートつまり出版流通が新華書店にかぎられていることである。 本は原則として新華書店に買いあげられることも,安易な出版活動を促す一因になっている。 それ以上にネックとなっているのは,書店を通じて読者を開拓したり,読者のニーズを発見することが困難なことである。 つまり全国くまなく支店網をもつ新華書店も,流通を独占しているため,版元にとって新読者発掘や新編集企画立案のルートの機能をはたしていないわけだ。
  最近では各社とも独自に販売ルートを開拓し,大学などへ直接販売したり,読者からの直接注文を増そうとしている。 実際,少数ながら,大都市では新華書店以外の書店も生まれているらしい。 私も繁華街で,露店の書店を目にした。 しかしそのルートはまだまだか細い。 また読者からの直接注文を増そうと思っても,読者に新刊情報や再販情報を伝える広告活動が困難である。 全国紙は少ないし,テレビは高すぎる。 ともかく一般の本は新華書店の店頭に並んだときに買っておかないとダメだ。 まず再版はないからである。
  中国にはまだ他に独自の問題がある。 中国はベルン条約に入っていないので,著作権は国際的に保護されていない。 本学の佐藤毅教授も執筆者になっているあるマスコミ入門書が中国語に翻訳されていたので土産に買って帰った。 奥付を見ると,教授から聞いた日本での印刷部数の約十倍も出ている。 もちろん中国側から翻訳の許可申請もなければ印税の支払いもない。 逆に中国の出版物が外国で無断翻訳されても,抗議できない。 著作権が確立しなければ,オリジナルな出版活動が活性化しないことは,各国の歴史が教えてくれる。
  中国は10年毎に大変化する。 10年前の1976年に4人組は追放された。 20年前には文革が始まった。 10年自の節目にあたる1986年には精神文明宣言が出されたし,年末までに何か起るかもしれない。 しかし日本のマスコミ報道を見ていると,人民公社時代には毛沢東主義は永久に不滅と伝えられ,4人組時代には走資派は抹殺されたと報じられた。 今また都小平体制の確立を伝える情報で満ちあふれている。 たしかに出版関係者と接触したかぎり,マスコミ報道を否定するものは見出しにくかった。 しかし,もっと中国を訪ね,中国の各地,各層の人びとと交流を重ねたり,もっと中国の文献に目を通さねば断定できないと痛感する。

(やまもと たけとし 社会学部教授)



社会科学系外国雑誌センター1年のあゆみ

山田 幸彦

  一橋大学附属図書館が社会科学系外国雑誌センター(以下センターという)として昭和60年4月発足したのは,既存の自然科学系の拠点館の場合と同様に,学術審議会の「答申」に基づいた文部省学術国際局長の通知を受けてであった。 これ以前に学内でセンターを引受けるかについて種々の論議がなされた結果,大学として引受ける方針を確認し社会科学系外国雑誌センター運営委員会(以下「運営委」という)を設置した。 事務組織としては,既存の雑誌係とは別に雑誌第二係を置き外国雑誌センター業務つまりセンター業務を分掌することとした。 センターの運営に関することは「運営委」の審議に基づいて進められることになっている。 これは既存のセンター館にはなかった全学的運営方式として特色あるものと言えるであろう。 ここでは発足から1年余り経過した今白までの社会科学系雑誌センターの歩みを振り返りながら,今後への課題をさぐりたい。

拠点図書館設置の目的

  さきの「答申」以前,昭和39年11月,日本学術審議会は,政府に対し「大学図書館の近代化について」という勧告の中で「大学の研究における図書館の任務」の項において,つぎのような4つの問題点を掲げてその解決の必要性を指摘している。 (1)各専門分野にはそれぞれ膨大な専門文献が存在し,また文献情報量は年々益々加速度的に増大していく傾向にある。 (2)文献情報源は年々益々多種多様になりつつある。 (3)科学の進歩に伴い,新分野の創設発展がおこり新しい文献情報が生ずること。 (4)研究様式は,多種多様になり,これに対応する図書分類形式を固定的に限定することが困難であること。 (例えば,総合研究,地域研究,時事問題研究等において,この実例をみる。) そして,これらの解決には,学術情報センター機能の確立と全国的な協力体制の碓立が必要であるとしている。 20数年経過した今日,この問題はさらに深刻化している。 一方,学術情報システムの整備と情報機器の普及に伴い,各種データベースを利用した情報検索の件数も増加しており,その結果として一次情報資料の整備充実を要望する声も高まっている。 ちなみに,昭和59年度大学図書館実態調査による国立大学の参考業務件数672千件のうち文献所在調査は462千件で69%に達している。 一次資料を全国的観点から体系的・網羅的に収集整備し,それを効果的に全国共同利用しようという拠点図書館構想は大学図書館近代化のための基盤整備事業の一つと考えられる。

人文・社会科学系分野の充実

  国立大学図書館における分野別外国雑誌受入状況をみると,人文・社会科学49千点(24%) 自然科学145千点(72%) 複合分野8千点(4%) であり,外国雑誌収集における人文・社会科学分野の雑誌の占める割合は自然科学のそれに比べ一段と低い。 このことは自然科学分野の研究資料が雑誌論文を中心としていることの他に,この5〜6年間の自然科学系拠点図書館の収集の結果も反映していると考えられる。 ひるがえって,人文・社会科学の収集は今後の緊急課題である。

雑誌選定方針

  「運営委」において,収集雑誌選定の基本方針として,次の5項目が承認された。

  1. 社会科学系分野全般を収集対象とする。
  2. 原則として国内未収集誌を対象とする。
  3. 国際的,言語的に偏重しない。
  4. 学術雑誌(政府刊行物,法令,統計表は除く)であること。
  5. その他(例えば創刊誌)。
  これを図式化すれば次の様に3段階のふるいにかけて選定することになる。
 雑 
 誌 
 群 












収 集
対象誌

予備調査

  事務部では,各分野の教官に選定をお願いするに先だって,選定のための基礎資料の作成がすすめられていた。 作業内容は「Ulrich's」の雑誌編,年刊編と「学術雑誌総合目線」の人文・社会科学編(1980年版)および補遺版の突き合わせをし各タイトル毎に所蔵状況の記号を付けるというものであった。

  1. ◎印 国内の大学で完全所蔵
  2. ○印 国内の大学で不完全所蔵
  3. 無印 又は×印 国内の大学で未所歳
次に,項目3のものについて,SSCl誌等の索引誌,抄録誌の対象となっているか,発行部数,バックナンバー入手の可否等も考慮しながら,重要誌の絞りこみをしリストの作成をした。 内訳は欧米:3028,ソ連・東欧:1026 の 4054点。

選定作業

  上記の予備調査で作成された選定基本リストとともに,「Ulrich's」の社会科学系分野の部分の複写を参考資料として各分野別委員に渡し,選定作業をお願いした。 また,並行して社会科学系雑誌の見本誌約300点の展示も行われた。 短期間で多量の資料を点検するという作業にもかかわらず,快く協力くださった先生方に改めて感謝の意を表したい。
  最終的には,分野によっては独自の書式でリストを作成していただいたものも含めて,のベ5千余誌がリストアップされた。 回収後,分野別の重複調査,「学総目」との突き合わせの結果3182点が残り「運営委」に提出された。 予算の枠の制約からさらに,1千点程度に絞りこむこととなり1306点が60年度の収集候補となった。 これらの価格調査をして,文部省に報告し,査定を受ける結果,1113点(社会科学系分野以外,政府刊行物を除く)の購入予算が認められた。

分担収集について

  収集対象の分野区分について若干の問題提起がなされた。 たとえば,自然科学と社会科学,社会科学と人文科学の境界領域にある雑誌をどちらの分野で収集するのかということである。
  とりわけ社会科学系分野の場合は,自然,人文,両分野との関係が深く明確には区分できないものが多いという悩みがある。 理想的には,このような雑誌は両分野で収集できれば全く問放はないのだが,予算上の制約から重複を避けどちらか一方の拠点館でのみ収集するとなると他方の分野に所属する研究者にとって若干の不満が残る。 このことは,分担収集・共同利用を進める上での精神的な一つの障害となっている。 しかし,今日のように文献複写サービスも迅速になってきていることも考えれば,何処の拠点館で収集しているという所在情報が的確にわかれば解決できる問題と思われる。

予約発注

  昭和60年度は予約時期が遅れたため1985年分と1986年の予約を同時にすることになった。 10月中旬に取次書店4社に予約をすませた入荷第1号は12月上旬のユーゴスラビアからの雑誌であった。 はじめて取次をするタイトルが大部分のため,取次が実現出来ないものも1割程度あった。

到着状況

  昭和61年3月末の到着状況は396点で,予約総数の35%,同じく7月末では60%となっている。 これまでの到着状況をにらみながら1986年分に追加として,東南アジア関係を中心として450点を発注したところである。

  社会科学系雑誌全体についていえば,まだ不十分であり,今後の予算増額が望まれる。 初年度に関していえば,各分野(商・経営学,経済学,法学,社会学,ソ連・東欧)区分で前術の5方針に沿って選定をお願いしたが,分野間で点数に多少の差がみられた。 ただし,入手の可能性をも考え合わせると,おおむね各分野平均した点数になっているとおもわれる。
  今後,時間をかけて各分野別の刊行状況とも細かく突き合わせをする一方,学内外の利用者の意見を参考にして,漸次欠落部分を埋めていく必要がある。 将来にわたって価値ある雑誌を選定することは,一大事業になると思われる。

(やまだ ゆきひこ 閲覧課雑誌第二係長)



■ (第52回)国際図書館連盟(IFLA)東京大会

  昭和61年8月24日から29日にかけて,標記の大会が,「21世紀への図書館」をメインテーマに,青山学院大学を主会場にして開かれた。 我が国ではじめての開催で,全世界から65ヶ国約1,800人の参加をみた。
  IFLAの事業の中心課題は,

  1. Universal Bibliographic Control
  2. Universal Availability of Publications
  3. International MARC Programme
  4. Preservation and Conservation
  5. Transborder Date Flow
  6. Advancement of Librarianship in the Third World
であるが,これらを核に,本大会は8つの部会,32の分科会,9るのラウンドテーブルに分かれて行なわれた。 発表者は約200人で,ペーパーは2,000ページを越え,その具体的な内容は,情報化社会を推進する先端技術の紹介からアジア・アフリカの低識字率の社会における図書館活動の在り方などの問題提起に至るまで大変はな広く,真摯な発表,討議が連日行なわれた。
  なお本大会に関連して,プレセッション・セミナー (「発展のための産業・技術情報 -- 経済発展のための専門図書館の役割 --」) とプレコンファレンス・セミナー (1つは,「多文字資料利用のための図書館自動化システム」,もう1つは,「盲人図書館分科会専門家会議」) が開かれた。 また,25日から27日まで,「国際図書館情報総合展」が行なわれ,コンピューターをはじめ多数のニューメディアが展示・紹介され,大いに関係者の関心を呼んだ。


■ 日米大学図書館セミナー

  IFLA東京大会前日の昭和61年8月24日,標記の1日セミナーが学士会館(東京神田)で開かれた。 過去3回(1969,1972,1975年)まで開催された「日米大学図書館会議」は,その後中断されたままであるが,このセミナーは,日米の大学図書館関係者が斯界の過去,現在及び将来の見通し等について相互理解を深めること,またそれによって空白期間を埋め,近い将来第4回目の同会議開催の可能性を求めようとするものであった。 当日の出席者は,米国側24名,日本側57名,計81名で,内容的にも盛会裡に終わったと聞く。




一橋大学附属図書館主要統計

I. 蔵書統計

  各表の「国立本館」欄には,一橋大学社会科学古典資料センター,社会科学系外国雑誌センター等に備え付けている図書・雑誌をも含んでいる。 同じく「経済研究所」欄には,同研究所附属日本経済統計文献センターの数字を含む。 また「和書」,「和雑誌」欄には,中国語図書・雑誌,ならびに韓国語図書・雑誌をも含む。

A. 昭和60年度蔵書冊数・所蔵雑誌種類数
種別
部局
叢 書 冊 数 所蔵雑誌種類数
 和書   洋書    計   和雑誌 洋雑誌  計 
国立本館 473,216500,116973,332 5,3903,1148,504
小平分館 127,10751,982179,089 468360828
経済研究所 157,009185,341342,350 3,0252,2245,249
産業経営研究施設 46,72712,20358,930 392136528
合計 804,059749,6421,553,701 9,2755,83415,109

B. 蔵書冊数の推移
蔵書冊数の推移

C. 所蔵雑誌種類数の推移
蔵書雑誌種類数の推移

D. 年度別受入冊数


受    入    冊    数
国立本館 小平分館 経済研究所 産業経済研究施設
和 書 洋 書  計  和 書 洋 書  計  和 書 洋 書  計  和 書 洋 書  計 
56 購入 15,88836,06751,955 4,5053,1297,634 3,5805,2098,789 1,1961761,372
寄贈等 2,7545,0847,838 7901,0901,880 1,7911,5263,317 2,7901662,956
18,64241,51559,793 5,2954,2199,514 5,3716,73512,106 3,9863424,328
57 購入 11,55614,81726,373 5,6011,8516,912 3,4524,3337,785 1,1716571,828
寄贈等 4,6003,9618,561 8703851,255 3,2651,2514,516 2,5742402,814
16,15618,77834,934 5,9312,2368,167 6,7175,58412,301 3,7458974,642
58 購入 11,04621,01632,062 4,5521,8046,356 3,6323,9057,537 6245921,216
寄贈等 3,6572,0625,719 7603321,092 1,8232,1473,970 1,7582061,964
14,70323,07837,781 5,3122,1367,448 5,4556,05211,507 2,3827983,180
59 購入 12,81413,94026,754 4,3461,5295,875 3,9434,1188,061 6261,1501,776
寄贈等 5,0653,3528,417 8993511,250 4,4901,9416,431 1,4572091,666
17,87917,29235,171 5,2451,8807,125 8,4336,05914,492 2,0831,3593,442
60 購入 12,50611,05723,581 4,0541,9686,022 4,0543,5457,590 7764091,185
寄贈等 7,1902,7649,962 8764061,285 2,7982,2405,038 1,1892361,425
19,70413,89333,543 4,9302,3777,307 6,8435,78512,628 1,9656452,610

E.年度別受入雑誌種類数


受  入  雑  誌  種  類  数
国立本館 小平分館 経済研究所 産業経済研究施設
和雑誌 洋雑誌  計  和雑誌 洋雑誌  計  和雑誌 洋雑誌  計  和雑誌 洋雑誌  計 
56 購入 4381,0571,495 169168337 150391541 326597
寄贈等 2,1861772,363 611778 7803831,163 2007207
2,6241,2343,858 230185415 9307741,704 23272304
57 購入 6109581,568 176192368 173431604 4579124
寄贈等 2,5122002,712 621779 7923771,169 2079216
3,1221,1584,280 238209447 9658081,773 25288340
58 購入 6479971,644 184201385 180455635 3961100
寄贈等 2,5762362,812 631780 8143801,194 2099218
3,2231,2334,456 247218465 9948351,829 24870318
59 購入 6621,0181,680 192213405 187451638 5373126
寄贈等 2,5012332,734 632285 8313501,181 21910229
3,1631,2514,414 255235490 1,0188011,819 27283355
60 購入 6901,4542,144 195222417 184481665 6380143
寄贈等 2,6622282,890 642286 8443591,203 22410234
3,3521,6825,034 259244503 1,0288401,868 28790377

II. 利用統計

(1) 閲覧・貸出冊数

  昭和55年9月に新館が開館し,現在の旧館(閉架)カウンター,新館(開架)カウンターの方式がスタートした。 その後,資料配置に若干の異動があったが,閉架,開架別の利用統計上はさほど影響はないと思われる。 昭和60年度は改修工事があったため,利用冊数が減少している。

閲覧・貸出冊数
年度 旧館(閉架式) 新館(開架式)
閲覧貸出 閲覧貸出 閲覧貸出
56 16,00928,60644,615 26,59313,24939,842 42,60241,85584,457
57 16,67835,81052,488 27,64913,71641,365 44,32749,52693,853
58 18,86732,08750,954 27,91614,92842,844 46,78347,01593,798
59 19,49833,36352,861 27,36514,00841,373 46,86347,37194,234
60 20,62630,02650,652 27,72312,70840,431 48,34942,73491,083
(注)新館の閲覧とは,館内閲覧ではなく当日貸出のことである。

(2) 利用者別利用冊数

  利用冊数の比率からみると,学部学生,大学院生,教職員,学外者の順である。

利用者別利用冊数
年度 学部学生 大学院生 教 職 員 学 外 者   計  
56 冊数 46,38722,44110,2285,40184,457
比率 54.9%26.6%12.1%6.4%
57 冊数 46,98621,01317,9117,94393,853
比率 50.1%22.4%19.1%8.5%
58 冊数 51,71819,11215,0127,95693,798
比率 55.1%20.4%16.0%8.5%
59 冊数 50,23419,46115,7798,76094,234
比率 53.3%20.7%16.7%9.3%
60 冊数 47,29720,69415,0618,031 91,083
比率 51.9%22.7%16.5%8.8%
(注)特別研究員,卒業生等は,学外者に含まれる。

(3) 小平分館利用統計

A. 入館者数
年度 学部学生 大学院生 教 職 員   計  
56 71,0901131,14972,352
57 68,2611041,11369,478
58 76,6871121,41079,209
59 73,2411381,36174,740
60 68,6051191,30470,028
B. 貸出冊数
年度 学部学生 大学院生 教 職 員   計  
56 14,3752191,58216,178
57 15,0561992,63317,888
58 17,0892911,88319,263
59 16,3033192,29618,918
60 15,7293321,67117,733

(4) 参考業務

  参考室で受けた所在調査等の参考質問の総件数である。
このほかに閲覧係,書誌係への電話,文書による参考質問がある。
参考業務件数
 年度  件数 
561,600
571,546
581,207
591,113
601,199

(5) 文献複写

  この統計は,図書館が受付窓口となっている小平分館,社会科学古典資料センター経済研究所資料室,産業経営研究施設等の所蔵資料分も含んでいる。 マイクロフィルムは57,58年度は複写業務を中断していた。

A. 文献複写(受付)
年度 利用者別件数 複写携帯別件数
学内者 学外者 ゼロックス  R.P.   M.F. 
56 1402,65277,6122,02819,737
57 992,17670,13011,630 ----
58 1622,26761,21410,306 ----
59 852,46359,6498,22810,259
60 612,43251,71910,16522,762
B. 文献複写(依頼)
年度 依頼件数 枚数
ゼロックス  R.P.   M.F. 
56 1353,9147379
57 58110,4941,3807
58 4348,702195222
59 3394,90744174
60 38511,86813793
(注)R.F.=リーダープリンター
M.F.=マイクロフィッシュ

C. 文献複写件数
文献複写件数

D. 文献複写枚数
文献複写枚数




閲覧係からのお知らせ

  下記のようなリストができましたので,ご希望の方は係までお申し出ください。

◆全国共同利用大型コレクション購入一覧
昭和53年度以降の文部省図書購入費によるコレクションの大学別リスト
◆一橋大学附属図書館所蔵地方史目録
和書の分類項目Qff(地方史)の目録
◆一橋大学附属図書館所蔵日本史史料目録
和書の分類項目Qfq(日本史-史料)の目録



◆社会科学古典史料センターから

  第6回西洋社会科学古典資料講習会は下記の日程,プログラムにより開催します。 (9月に各関係図書館に通知,10月に受講者決定,通知済)

第1日 11月19日(水)
「センター長挨拶」   川井 健 (一橋大学社会科学古典資料センター長)
「古典研究の意義を考える -- 私と西洋古典文献との関わり-- 」   出口 勇蔵 (京都大学名誉教授)
「保存と修復」   金子 富保 (国立国会図書館収集部資料保存課主査)
「フランス啓蒙思想の文献渉猟 --ヴォルテールを中心として-- 」   高橋 安光 (一橋大学法学部教授)
第2日 11月20日 (木)
「フランス革命史関係史料の刊行状況について」   遅塚 忠躬 (東京都立大学教授)
「フランス18世紀の経済雑誌の動向分析」   津田 内匠 (一橋大学経済研究所教授)
「機会可読型目録情報の統計化による出版活動の変遷」   松田 芳郎 (一橋大学経済研究所教授)
第3日 11月21日 (金)
「書誌の社会的体系」   東田 全義 (慶応義塾大学三田情報センター情報サービス課長)
「スコットランド啓蒙書誌解題 --最近の古典資料動向を中心に-- 」   田中 正司 (一橋大学社会科学古典資料センター教授)
「情報交換・懇談会」



◆会議

〔学内〕

図書館委員会 昭和61年度第1,2回 (61.4,7)
昭和60年度図書費決算報告書について
専門図書費の配分について
小平分館図書委員会 第1,2回 (61.7,10)
昭和60年度決算について
昭和62年度概算要求について
雑誌の選定について
社会科学古典資料センター運営委員会 第25回〜第27回 (61.5,7,9)
昭和60年度決算報告
昭和61年度事業計画
昭和62年度概算要求について
古典資料講習会のプログラムについて
モルレ未発表草稿の購入について

〔学外〕

昭和61年度国立大学図書館協議会東京地区総会
4月21日 於:お茶の水女子大学
昭和61年度国立大学附属図書館事務部課長会議
5月21日 於:東京医科歯科大学
第19回国公私立大学図書館協力委員会
5月30日 於:一橋大学附属図書館
第33回国立大学図書館協議会総会
6月11,12日 於:東京医科歯科大学
東京西地区大学図書館相互協力連絡会
昭和61年度第1回加盟館会議 6月24日 於:中央大学
「大学図書館の公開に関する調査研究班」委員会
第10,11回(61.7.16,9.5) 於:東京大学総合図書館
大学図書館国際連絡委員会総会
第22回 9月26日 於:東京大学総合図書館
「専門職員採用状況等調査研究班」委員会
第1回 9月30日 於:東京大学総合図書館


◆各種委員異動

図書館委員会
昭和61年4月1日付,金子郁容(商学部),荒井一博(経済学部),石原全(法学部),山本武利(社会学部)
昭和61年7月1日付,森川俊夫(小平分館長)
創立百年記念募金図書購入委員会
昭和61年4月1日付,金子郁容,荒井一博,石原全,山本武利,清川雪彦(経済研究所)
昭和61年7月1日付,森川俊夫
昭和61年9月14日付,藤野正三郎(経済研究所)
小平分館図書委員会
昭和61年6月1日付,矢野敬幸(商学部),真島秀行(法学部)
昭和61年7月1日付,森川俊夫
社会科学系外国雑誌センター運営委員会
昭和61年4月1日付,金子郁容,荒井一博,石原全,浜谷正晴(社会学部),富沢賢治(経済研究所)
昭和61年7月1日付,森川俊夫
社会科学古典資料センター人事委員会
昭和61年4月1日付,米川伸一(商学部),山田欣吾,南博方(法学部),古賀英三郎(社会学部),津田内匠(経済研究所)
昭和61年月1日付,森川俊夫
社会科学古典資料センター人事委員会
昭和61年4月1日付,広海孝一(商学部),山田欣吾,南博方,古賀英三郎,宮鍋[ノボル](経済研究所)
昭和61年5月1日付,勝田有恒(法学部)
昭和61年8月1日付,諏訪功(小平分校主事)


◆人事異動

昭和61年4月1日付 閲覧課閲覧係 田島 一紀 退職
小平分館 高橋 智子 採用
4月12日付 閲覧課閲覧係 山口 渉 採用
5月1日付 閲覧課閲覧係 井手 克美 採用




一橋大学附属図書館報 “鐘” No.17
1986年11月10日 発行
編集委員
関篤・及川励一・飯島朋子・大橋渉・金沢幾子・砂川淑子・藤原孝子・松尾恵子
発 行 人
井上克巳
発 行 所
一橋大学附属図書館