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常設展示
シュムペーター文庫

展示
日 程

平成27年12月7日(月)~

場 所 一橋大学附属図書館 展示室(時計台棟1階)
開室時間 10:00~17:00(入場無料)(土・日・祝日・休館日は閉室)

 一橋大学附属図書館では、これまで常設展示として学園史や図書館所蔵コレクションを紹介してきました。展示室改装後、第1回の常設展示となる今回はシュムペーター文庫を紹介します。

※ 【 】内は附属図書館所蔵の請求記号です。

シュムペーター文庫について

 シュンペーター(Joseph Alois Schumpeter 1883-1950)はケインズと並ぶ近代経済学の巨匠。孤高の経済学者とも評される。 1931年には東京商科大学(現・一橋大学)兼松講堂を皮切りに日本各地で講演を行った。

 一橋大学附属図書館は、シュンペーターが収集した資料の一部を「シュムペーター文庫」として所蔵している。愛弟子であった中山伊知郎、 都留重人が一橋大学に在籍していたことと、また、日本経済の研究家でもあったシュンペーター夫人エリザベス(1898-1953)の遺言により 本学に寄贈されたものである。単行書1,353冊を始め、世界各国の経済関係の雑誌、各国の研究者からシュンペーターに贈られた論文の抜刷などの 合計5,701冊が、1955年2月28日、アメリカ大使館文化アタッシェのグレン・ショーから当時の学長中山伊知郎に手渡された。

 附属図書館で整理を行い、文庫目録として1962年にThe catalogue of Prof. Schumpeter Libraryを刊行、追録 Additions to The Schumpeter Library (1967)ともども、現在附属図書館のウェブサイトにて公開している。 ドイツでシュンペーターに師事した東畑精一は、この目録に寄稿した「由来記」で寄贈の経緯を記しており、贈呈式が行われた一橋大学本館の特別応接室が1931年1月の講演後の シュンペーターを囲んで歓談した室でもあったことが話題になったことを挙げて“あの時の室の寒さはシュンペーターを少しばかりたじろがせたかもしれなかったが、 氏はそれを気にしている当時の教授たちに、「大学は建てものではない」と言ってのけた。そして例えばイタリアのボロニア大学とかその他の例をひいて、その貧弱な大学の建てもののなかで、 いかに見事な研究の成果が挙げられたかを物語ったが、その話など今度の贈呈式の後の歓談の際にも語られたところであった”と紹介している。

 「シュムペーター文庫」の蔵書には、直筆のメモ類が挿入されていたもの(文庫目録の注記には“J.S.'s notes inserted.”と記載)が多数あり、 シュンペーターの思索過程を示す貴重な一次史料といえる。メモ類の多くはオレンジ色の紙片で、ガベルスベルガー(Gabelsberger)式の速記文字(当時代表的だったドイツ語速記方式。現代では解読できる人材は稀少)で書かれている。



出品資料とその解説


画像:Das Wesen und der Hauptinhalt der theoretischen Nationalökonomie / von Joseph Schumpeter. Leipzig : Duncker & Humblot, 1908 【Bb:545】

Das Wesen und der Hauptinhalt der theoretischen Nationalökonomie / von Joseph Schumpeter. Leipzig : Duncker & Humblot, 1908 【Bb:545】

シュンペーター『理論経済学の本質と主要内容』。参考文献も十分に揃っていないエジプトのカイロで弁護士として働く傍ら短期間に執筆し、25歳の若さで刊行したデビュー作。ドイツ語圏の読者を対象に、ワルラスの一般均衡理論の意義について、ほとんど数学を用いることなく解説した研究書である。     



画像:Economics and knowledge / by F.A. von Hayek. [London : The London School of Economics and Political Science], 1937 【J.S./X:369】

Economics and knowledge / by F.A. von Hayek. [London : The London School of Economics and Political Science], 1937 【J.S./X:369】

『経済学と知識』。オーストリア学派の代表的な経済学者・哲学者フリードリヒ・ハイエクの論文の抜刷。シュンペーターは鉛筆で傍線やメモを書き込んでいる。  



画像:シュンペーターの「アンナの日記」 / 塩野谷祐一 [著].  国立:一橋大学社会科学古典資料センター, 1990.3. (一橋大学社会科学古典資料センター Study series ; no.21). 【Azb:3A:21】

シュンペーターの「アンナの日記」 / 塩野谷祐一 [著]. 国立:一橋大学社会科学古典資料センター, 1990.3. (一橋大学社会科学古典資料センター Study series ; no.21). 【Azb:3A:21】

シュンペーターは二番目の妻アンナの日記を筆写しつつ自分の記述を書き加える奇妙な謎めいた日記を、アンナを亡くした1926年から自身の死までの25年間継続した。                     
塩野谷祐一(1932年1月2日-2015年8月25日)一橋大学元学長の講演「シュンペーターの野心 : その人生と学問」(2007年3月20日)はシュンペーター研究の第一人者ならではの多彩なエピソードに満ち、その全文は企画展示「マーシャルとシュンペーターの遺産」の一環として図書館ウェブサイトに掲載。併せてご参照ください。



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